ここ数年で急成長を遂げたSwapは現在、ドイツやデンマーク、ベルギーでオペレーションを行い、「米国やアジア進出も視野に入れている」とCEOのSteven Uitentuisは述べた。
月額費用を払えば自分の車両のように自転車が保有でき、車体が故障した場合には12時間以内にメンテナンス担当者が駆けつけるというのが、Swapのサービスの売りとなっている。当初は学生をターゲットに始動した同社のサービスは、今ではあらゆる年齢層の人々に利用されている。「最も若いユーザーは12歳、最高齢は83歳だ」とUitentuisは述べた。
Swapは自社で配達ドライバーや修理担当者を雇用している。「Swapが他社と違うのは、外部のフリーランスの人々にコアプロダクトである自転車の配置や修繕を任せないことだ」とUitentuisは述べた。
設立当初は4人のコアメンバーが自己資金で立ち上げたSwapは、オランダの環境テクノロジーに特化したベンチャーキャピタルである、Ponoocの支援を受けている。同社の売上成長率は2017年に1600%に達した。
Swapの自転車は、前輪がブルーに塗装されているのが特徴だ。現在のサービス範囲は、アムステルダムやコペンハーゲン、ブリュッセルやベルリンなど欧州の39都市に広がっている。
「2019年はドイツの15都市にサービス拠点を広げていく」とUitentuisはフォーブスの取材に述べた。
現在33歳のUitentuisは、28歳以下の共同創業者ら3名のリーダー役を務めている。Swapは昨年、オランダのスタートアップのコンペティションのMarketing Start-Up of the Yearを受賞した。
母国オランダでSwapはベーシックモデルを月額15ユーロ、ラグジュアリーモデルを19ユーロで提供している。その他の欧州の都市では、デラックスモデルのみを月額19.50ユーロで提供するが、学生は割引価格で利用可能だ。Swapは今後、電気自転車の提供も計画中だ。
同社の競合にあげられるのは、同じくオランダ発の「次世代スマートバイク」として話題となった自転車ブランドVan Moofの月額サービスだ。しかし、Van MoofはSwapより高額な月額費用を徴収し、前払金も必要となっている。
Swapの自転車は耐久性が高く、故障率は低く抑えられている。同社は欧州の都市で進むトレンドである、自転車やクルマを自己所有しないライフスタイルを推進していこうとしている。同社はMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)ではなく、BaaS(バイシクル・アズ・ア・サービス)を打ち出そうとしている。
「世界の各都市でSwapの自転車が利用可能にしたい」とUitentuisは話した。