こうした疑念を払拭するために、まずはどういうカリキュラムが予定されているのか見てみることにしましょう。小学生向けとはいえ、大人にとっても役立つ情報となっています。
実は、プログラミング教育必修化と言っても、小学校からひたすらコーディングする(=プログラムを書く)ような教育カリキュラムが予定されているのかというと、そうではありません。
勘違いされがちですが、プログラミング教育は必修化されるものの、「プログラミング」という科目ができるわけではありません。あくまでも、従来の算数や理科、総合といった科目の中でプログラミングを「体験してもらう」のが主軸となります。
プログラミング教育に関しては、文部科学省が公開している資料*1によくまとまっています。
プログラミング教育とは
子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育成するもの。コーディングを覚えることが目的ではない
はっきりと、「コーディングを覚えることが目的ではない」と書かれています。そして、ここで言及されている「プログラミング的思考」に関しては、次のように書かれています。
プログラミング的思考とは
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
つまり、プログラミング教育とは「論理的思考力を鍛えるための教育」であると国は位置づけています。実際にプログラミングを仕事で扱い、プログラミングを教えている私からして見ても、この意見には大賛成で、最初にこの文章を読んだ際は、きちんと考え抜かれているな、と感心しました。