2019年メディア・エンタメ界で起きる4つのデジタル変革

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3. マルチチャネルがあらゆる場所に

皆さんはいつから、携帯電話でソーシャルメディアやアプリを同時にチェックすることなしにはテレビを観られなくなっただろう? 消費者にとっては、一つの形態のエンターテインメントを消費するだけではもはや十分ではない。コンテンツに引き込まれ、満足したと感じるには、複数のプラットフォームを使った継続的な体験が必要なのだ。多くのブランドが、視聴者を引き付ける上でマルチチャネルの力に気づき始めている理由もここにある。このトレンドは年々拡大を続けており、今後もこの傾向が続くのは間違いない。

4. モバイルデータ通信の需要拡大

メディアやエンタメ企業がデジタルコンテンツ提供を進める一方、消費者はこうしたコンテンツを持ち運ぶためにデータ通信量の増強を求めている。現在でも、ミレニアル世代とジェネレーションZはテレビよりもストリーミングでの番組視聴を好む。これは無視できる需要ではなく、データのパッケージ化や販売の形を変えるだろう。

携帯電話で写真やビデオの保存容量が増えているのと同じく、携帯電話通信業者は、提供されるコンテンツに消費者がアクセスできるように通信網を強化する必要がある。私の直感では、ケーブルテレビ契約からフールーやネットフリックス、アマゾンなどの会員制サービスに乗り換える消費者が増えるにつれ、ケーブルテレビ業者は5Gに注力するようになる。こうして、ケーブルテレビ業者の新たなビジネスモデルが登場するはずだ。

メディアにおける2019年のデジタル変革トレンドを要約する1文を私が選ぶとすれば、「広告があらゆる場所に」だろう。広告が増え過ぎることで、反動のようなものも生まれると私は予想している。

実際、米セールスフォース・ドットコムが最近行った調査によると、コンテンツ消費者の40%近くが、大量の広告を避けるために金を払うことも考えている。こうなると、デジタルコンテンツ提供者は新たな収入源を探すことを強いられるだろうか? この問いは2020年まで取っておくこととしよう。

編集=遠藤宗生

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