起業家たちは2018年をどのように捉え、2019年のトレンドをどのように予測しているのか。今回、Forbes JAPAN編集部は起業家に向けてアンケートを実施。2018年の事業の手応え、そして2019年の展望を伺った。
モバイル動画、XR、ブロックチェーンの3領域で仕込みができた
──2018年はどのような年だったでしょうか? 今年を振り返ってみて、事業の手応を教えてください。
会長になり新規事業を中心に担当してきました。領域は3つで、モバイル動画、XR(AR・MR・VRなどの技術を総称)、ブロックチェーンです。モバイル動画はdelyの大型エグジットが出るなど各社順調に業績を伸ばしました。
XRは東京、ソウル、ヘルシンキで行なっているインキュベーションが計43社となり、業界を牽引する企業も増えてきました。更にはVtuber(バーチャルYouTuber)というVR時代のキラーコンテンツもキズナアイのActiv8を始め、数多くの企業を産出することができました。
ブロックチェーン事業に置いてもgumi Cryptosという30億円規模のファンドを組成し、ベイエリアを中心に投資を開始を始め、更にはNo.1ブロックチェーンゲームを開発しているdouble jump.tokyoが仲間入りしました。
各領域ともに来年の飛躍に向けた仕込みが充分にできた年になったと思います。
2019年注目領域はVRとブロックチェーン
──2019年、事業をどう成長させていきたいと考えていますか?
VRはいよいよ上期にOculus Questが発売になります。このハードこそ、我々業界の全ての人が待ち望んでいたものに性能も価格もなりました。そこに向けたキラーコンテンツをどれだけ投入できるかが重要な年になります。
東京とLAでつくっている大型VRゲームには、ぜひご期待いただければと思います。VtuberはIP、プラットフォーム共に多数仕込んでいるので、こちらも更なる大ブレークの年にしていきたいです。
ブロックチェーンは独自プロジェクト「フィナンシェ」がローンチされ、更には複数のブロックチェーンゲームが公開予定です。こちらも大きな期待をしています。
──2019年、個人的に期待している領域などはありますか?
いよいよVRが飛躍の年になると思います。2015年から5年越しの夢、大きく咲かせたいと思います(笑)。
ブロックチェーンはバブル崩壊後の一年を終え、投機目的の人たちはいなくなり、この技術の未来を信じて打ち込む人たちだけが残りました。
ITバブルの焼け野原からGoogleやFacebookが産まれたように、この焼け野原から新しい未来を牽引する企業が産まれてくると確信しています。
國光宏尚◎1974年生まれ。米国Santa Monica College卒業後、2004年5月株式会社アットムービーに入社。同年に取締役に就任し、映画・テレビドラマのプロデュース及び新規事業の立ち上げを担当する。2007年6月、株式会社gumiを設立。代表取締役社長に就任。2018年7月、代表取締役会長に就任(現任)。