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2018.12.29 07:00

フィンテック界のユニーコーンRobinhood「金利3%」の太っ腹戦略

ロビンフッド社CEO バイジュ・バット(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

ロビンフッド社CEO バイジュ・バット(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

フィンテックスタートアップの多くが、当座預金口座サービスを提供し始めている。昨春には貯金アプリ「Acorns」とレンディングスタートアップの「SoFi」が新たなデビットカードを発表した。ネオ・バンクの「Chime」は、2014年からオンラインの当座預金口座サービスを無料で提供しており、ユーザー数は230万人に達する。
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こうした中、「ロビンフッド(Robinhood)」は、当座預金と普通預金の何れにも3%の金利を提供すると発表した。これは市場で最も高い金利で、全米の普通預金の平均金利である0.1%はもちろん、2位のBBVAの2.25%も大きく上回る。

カリフォルニア州メンローパークに本拠を置くロビンフッドは、2013年の設立以来、株式や仮想通貨の取引き手数料を無料にし、これまでに600万人のユーザーを獲得している。

同社の収益源は、金利収入とブローカーから受け取るリベートのほか、プレミアム会員から徴収する手数料だ。従業員数は300名を超え、評価額は56億ドル(約6300億円)に達する。同社は顧客からの預かり資産額を公表していないが、フォーブスの推計では数百億ドル規模に達すると思われる。
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ロビンフッドが当座預金口座の提供を開始したのは、市場シェアの拡大が狙いだ。競合の増加に加え、JPモルガン・チェースが株式取引きの手数料を無料化に踏み切るなど競争環境は激しさを増している。こうした中、ロビンフッドとしては短期的には赤字でも、より多くの顧客を獲得したいと考えているのだ。共同CEOのBaiju Bhattは、「顧客が他の金融サービスを利用しなくても済むようにしたい」と述べている。

ロビンフッドは、当座預金口座と普通預金口座に最低預入金額を設定せず、月額手数料も徴収しない。借越(かりこし)や海外送金の手数料も無料だ。同社は、新しいマスターカードのデビットカードを1月から顧客向けに発送するという。このカードは、全米7万5000ヶ所のATMを無料で利用することができる。

ロビンフッドの口座は、FDIC(米連邦預金保険公社)による保証の対象外となっている。「ロビンフッドの当座預金と普通預金に預け入れた現金は、25万ドルまでSIPC(証券投資家保護公社)によって保証される」と同社の広報担当者は述べている。SIPCとは経営破綻したり、財務危機に瀕した証券会社から投資家を守ることを目的とした非営利組織だ。
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編集=上田裕資

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