艶感、履き心地、すべてが完璧なイタリア産「ブーツ」

トッズ ウィンター ゴンミーニ


森岡:現代のドレススタイルでは、はずし技も重要な要素ではないですか。そう考えたら、はずし技風にうまくスーツに合わせたり、あるいはジャケットに合わせたり、トッズはいろいろと“使える”靴だと言えます。ドレッシーなものにあえてこのブーツを合わせたりするのも面白いかもしれませんね。

小暮:ファッション全体から見ても、いまは1990年代がブームじゃないですか。80〜90年代はミラノを筆頭にデザイナーが一挙に出てきた時代ですが、新しいブランドがイタリアから続々と出現、日本でも注目を集めた時代でもあります。それらのブランドの多くが、職人的なテクニックをもち、高いクオリティが担保されていたことも注目された理由のひとつです。

それはトッズの場合も同じです。トッズの創立は70年代後半ですが、ファクトリーを自社でもち、ハイクオリティな靴を生み出し、80〜90年代にかけて、「ゴンミーニ」を筆頭にした靴が世界的にブレークしました。そういう意味では90年代を象徴する靴だと思います。

森岡:イタリアのブランドの多くは、ドレスをカジュアルに落とし込んだのではなく、その逆。カジュアル“アップ”という感覚が正しいと思います。だからカジュアルさ、快適さをもちながら、センスが確実に香る。このブーツもそうですね。一見無骨な印象ですが、一足で履きこなす人をシックに見せてくれるブーツです。

小暮:トッズは多くのアイテムを網羅するラグジュアリーブランドへと進化しましたが、やはり「ゴンミーニ」に代表される靴がブランドをリードしているように思います。

森岡:この靴のつくり、履き心地、ディテールを見ればそれは一目瞭然ですね。


森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

text by Masahiro Kogure | edit by Akio Takashiro | photograph by Masahiro Okamura | fashion direction by Hiroshi Morioka | iliustration by Bernd Schifferdecker

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