ビジネス

2018.12.19 08:30

中国でアリババ連携強化の米スタバ、上海の旗艦店ではAR活用

アリババ傘下のウーラマのデリバリーサービス(photo courtesy of Starbucks)

アリババ傘下のウーラマのデリバリーサービス(photo courtesy of Starbucks)

スターバックスがウーバーイーツと提携し、米国や日本でデリバリーサービスを拡大することが話題になっている。しかし、このニュースは中国では全く新しい話ではない。
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中国でスターバックスは数カ月前からアリババ傘下のウーラマ(餓了么)と組んで、宅配サービスを開始していた。顧客らは店舗で列に並ばず、アプリからスターバックスのコーヒーを注文し、自宅で温かいコーヒーを飲めるのだ。

一方で、米国のスターバックスが本格的にデリバリーを開始するのは、2019年からのことだ。最近では中国で先に普及した新たなサービスが、米国に遅れて導入されるケースが増えている。

実際のところ、中国のコーヒー市場ではLuckin Coffee(瑞幸珈琲)というスタートアップが急速にシェアを伸ばし、スターバックスを打ち負かそうとしている状況だ。
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アリババはスターバックスのブランドを、同社が掲げるニューリテール戦略の顔役に起用している。スターバックス会長のハワード・シュルツは、アリババのジャック・マーと親しい間柄であることで知られる。

アリババが同社のニューリテール戦略の中心に置く、食品スーパー「Hema」をスターバックスの新たな拠点として用いる試みも、上海と杭州市で進んでいる。

スターバックスは昨年12月、上海に世界最大規模の旗艦店「スターバックス リザーブ ロースタリー上海」をオープンした。店内ではアリババの「タオバオ」アプリのAR(拡張現実)機能を用い、スマホをコーヒーのサイフォンにかざすと豆の種類が分かるサービスなどを提供している。また、店内でデジタルバッチを収集すると、特製のギフトがもらえる。



アリババは同社のニューリテール戦略において、小売分野にAI(人工知能)やAR、ロボットやQRコード、モバイル決済などの新たなテクノロジーを投入し、買い物及びデリバリーを統合的な体験として提供しようとしている。

編集=上田裕資

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