Z世代を代表する、22歳の女性ユーチューバーが歩んできた道

リザ・コッシー(Photo by Leon Bennett/Getty Images)

リザ・コッシー(Photo by Leon Bennett/Getty Images)

「私の仕事場はスマートフォンのなかにある」とコメディアンで女優の22歳、リザ・コッシーは冗談めかして話すが、これは決してジョークなどではない。彼女のユーチューブチャンネルの購読者数は1630万人に達し、累計の再生回数は25億回に達している。
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体で演じるコメディや独特のパロディで、若い世代から支持を集めた彼女は、わずか数年でユーチューブ界のスターとなり、今年のフォーブズの「30アンダー30」に選ばれた。

ヒューストン生まれの彼女は、他のデジタルネイティブ世代のスターと同様に、動画アプリ「Vine」の登場と同時にスマホで動画を撮り始めた。最初の投稿は、2013年3月に友達とクルマの屋根にのぼる様子を収めた6秒の動画だった

「ただ単純に、面白いと思ったものをスマホで撮っているだけだった。友達と踊ったり、品の無いジョークで笑ったりしながら」
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彼女の創り出すムービーのクオリティはあっという間に向上した。独学で編集テクニックを学び、髪型をアレンジして面白く見せる方法を編み出した。コッシーの趣向を凝らした動画は、同世代のティーンの間で人気となり、Vineだけで700万人のフォロワーを持つようになった。

その後、彼女はVineの短い動画だけでは物足りなくなった。「もっと長いムービーを作れると思った」

2015年7月にユーチューブチャンネルを開設し、週に1本のペースで投稿するようになった。プロフィールには「大きな夢を持つ、小さなブラウン色の女の子」と書いた。彼女の母は白人で、父親はインド人だ。彼女は動画のなかで、ヒゲをたくわえた訛りのある英語を話す男に扮したり、ヒスパニック系の男性を演じるなど、多様なキャラクターを演じ分ける。

ユーチューブのスターとなった彼女は2016年の米国大統領選の際、若者に投票を呼びかける団体から、オバマ元大統領のインタビューを任された。

コッシーの主要なファン層はZ世代と呼ばれる、1990年代中頃から2000年代の初期に生まれた世代だ。ニールセンの調査によると、Z世代の97%がスマホを持っており、その購買力は440億ドルに達するという。

広告業界も彼女の人気に目をつけ、既にBeats by Dreのヘッドフォンの広告も実施している。彼女を起用した広告のクリックスル―率は、NFLの有名選手を起用した広告の4倍の数値を記録したという。

コッシーは2017年にMTVの番組のホストに起用されたほか、Huluのドラマ「フリーキッシュ 絶望都市」などに女優として出演。2018年は「スポンジ・ボブ」などの子供向けアニメで知られるチャンネル、ニコロデオンの番組「Double Dare reboot」の顔役に起用された。

「こんなに色んな仕事ができるのも、ユーチューブのおかげ」と話すコッシーは、今でもユーチューブを活動の中心に置いているが、先日は自身の名前を冠した、オリジナルのバッグの販売も開始した。

「永遠に高校生役を演じていられる訳ではない。もう少し時間が経ったら、目の前の壁を壊して新しい自分になる」とコッシーは話した。

編集=上田裕資

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