ショットの技量が試されるコース


このコースはもともと1893年に、ウィリアム・ピックマンとその友人のジョージ・ロスが、英国本土から船で海を渡っているときに半島の先っぽにあるこの地を発見したのが開場のきっかけである。

この地を見つけてすぐに「これほど素晴らしいゴルフコースの候補地はない」ということで、翌年の1894年に9ホールのコースが開場された。三方を海に囲まれ、地元のさまざまな種類の鳥が棲息し、海の向こうには自然豊かなホウス・ヒルズを見渡せる。晴れた日には、アイルランドで屈指の歴史を誇るリンクス、ロイヤル・カウンティー・ダウン・ゴルフクラブへと連なるモーン山地も遠くに見える。
 
とにかくコースは、バックティーからはおよそ7500ヤードもあり、大きくフラットな地形でかつ海沿いにあるため、風が吹けばタフなことこの上ない。

また、随所でバンカーやハザードがお目見えし、フェアウェイの起伏はあまりないものの、すんなりと行かせてくれない難しさがある。グリーンも速くて手こずるということで、ハンディキャップがシングルの我々も、90台で回るのがなんとかやっと、という感じである。かのトム・ワトソンも、ポートマーノックを「まやかしや意地悪などではなく、実直に自分のショットの技量をテストさせてくれるコース」と評している。
 
ホールはどれも素晴らしく、かつ難しいが、特に最後の5ホールはタフである。そんな難ホールである14番411ヤード、パー4を、アマチュアのジョー・カーはドライバーでホールインワンするという偉業を達成している。いやはや、歴史は深い。

文=小泉泰郎

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