・広範な育児プラン。早朝や夜、週末がカバーできるよう複数の育児サービス提供者を使うことが多い。
・搾乳機と予備の部品、掃除用品に加え、毎日の会議や締め切り、プロジェクトをこなしながら授乳を続ける熱意
・深刻な睡眠不足と闘うための大量のカフェイン
・自分自身や同僚、上司に対し、何事もなかったかのように復帰できると証明するあふれるばかりの熱意
上記の要件を全て満たした場合でも、子どもを持ったばかりの女性社員は予想外の課題や障壁に直面し、以前の立場に円滑に戻れないことが多い。魅力的な育児休暇プランを提示し、働く母親のニーズに応えて人材を維持しようとする米企業が増えているが、母親が仕事と家庭を統合できるようにする支援については不十分な場合が多い。
母になる前、私は理想的な社員だった。直前の依頼でも遅くまで残業することをいとわず、出張も嫌がらず、朝から晩までメールを逐一確認し、自分の反応の早さに誇りを持っていた。
私は復職時、もう一度理想の社員にならなければならないと自分にプレッシャーをかけた。また、チームからも同じことを期待されていた。同僚が私の復帰を喜んだことを聞いたときは良い気分だったが、私の生活の変化については話していけないという、ほぼ暗黙のルールがあった。
私は上記のチェックボックスを全て満たした。柔軟な育児サービスを利用してシフトに対応し、メールの確認を続け、夜遅くまで勤務した。子どもは夜中おしっこの時間になると泣いてしまうので、睡眠不足だった。私は病院向けの搾乳機を持ち運び、できるだけ多くの母乳を絞り出そうとした。
追加の仕事やリーダーシップの機会は引き続き受け、積極的に取り組むことを笑顔で約束した。自分が仕事に集中していること、管理職の道を外れたわけではないことを示すため、自分が必要だと考えていたことを実行したのだ。
しかし私は、満足できる育児休暇プランの下に潜んでいたものに備えていなかった。私の復帰を喜んでいたように見えた職場には、採用と昇進をむしばむ組織的な偏見があり、子どもを持つ女性社員は事実上、昇進の対象から外され脇に追いやられていた。
上司が“支援”という名目の下、新たに子どもを持った母親の業務量を制限したり、人脈作りのイベントや顧客との会議などに招待するのを控えたりする場面は、誰しも見たことがあるはずだ。一部の管理職はこれが思いやりのある行動だと思っているが、こうした名目ばかりの支援は育児休暇から戻った女性にとって害でしかない。