米国の複数の州では中間選挙と同時に、大麻に関わる住民投票が実施された。その結果、ミシガン州では嗜好用大麻の一定量の栽培及び、使用が許されることになった。
ミズーリ州やユタ州でも今後、医療大麻の合法化措置が導入されることになる。つまり、6日の投票で新たに米国の3つの州で、大麻の合法化が決定されたのだ。
さらに、オハイオ州の5都市で大麻の脱犯罪化に向けた措置が承認された。また、ウィスコンシン州の16の郡で、大麻規制の改革に向けた意見投票が行われ、改革を望む人が多数派となった。
一方、ノースダコタ州では嗜好用大麻の合法化案は否決されたものの、既に医療大麻は解禁されている。
今回の中間選挙において大麻の合法化は大きな前進を遂げたといえる。2019年に入り、各州で大麻合法化に前向きな新知事らが就任すれば、複数の州で新たに大麻の合法化がなされるだろう。
イリノイ州の新知事に選出された民主党候補、J.B.プリツカは選挙キャンペーン中に、大麻の合法化ポリシーを強く打ち出していた。「現状の州の刑事司法制度に存在する、人種的不公平の一部は即座に撤廃が可能なものだ」と、プリツカは以前の演説で述べていた。「大麻を合法化し、課税と適切な規制のもとで管理しよう」
ミネソタ州の新知事に決まった民主党のティム・ワルツも、「現状の誤ったポリシーを見直して、税収をあげて雇用を創出し州のためになる制度を作ろう。ミネソタの子供たちを守り、人々を信じ、彼らが自分で物事を決められる自由を与えよう」とワルツは述べていた。
ミシガン州知事に決まった民主党の女性議員、グレッチャン・ホウィットマーも以前から、大麻が鎮痛剤のオピオイドの乱用問題の解決手段となると主張していた。また、ニューメキシコ州の新知事に決まった、民主党のミシェル・ルーハン・グリシャムも、大麻の合法化が数億ドルの経済効果を州にもたらすと述べていた。
一方で、ニューヨーク州知事に再選された民主党のアンドリュー・クオモは、かつて大麻合法化には反対のスタンスをとっていたが、最近になって合法化に向けた草案を作成し、2019年には大麻の禁止措置を解除することが期待されている。
ウィスコンシン州でも大麻の合法化を掲げる民主党のトニー・エバーズが、新知事の座を獲得した。
既に大麻の合法化を果たしているカリフォルニア州やコロラド州、メイン州、ネバダ州、オレゴン州で新たに選出された知事たちも全員、大麻に肯定的なスタンスをとっている。
しかし、州レベルで大麻の合法化が進む一方で、米国の連邦レベルでは依然として、大麻は規制薬物だ。しかし、今回の選挙で下院の多数派を民主党が握ったことにより、この状況にも変化が訪れるかもしれない。
大麻の合法化を推進する人々にとって、11月6日は記念すべき日となった。