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2018.11.06 17:00

グーグルの大規模スト ピチャイCEOが取るべきだった対応


「当社は困難な時期にあり、社内では怒りと不満がたまっている。これは私を含め、全員が感じているものだ。グーグルでは非常に高い基準が設定されており、その期待に答えられなかったのは明らかだ」

ピチャイはさらに、「このような出来事は、グーグルが常にうまくやれてきたわけではないことを示している」とし、「これから具体的な対策がなされる予定だ」とも述べている。

ソーキンは、ピチャイがグーグルに有害な企業文化があると認めるのを「ためらった」と指摘している。ピチャイは「セクシュアルハラスメントは社会的な問題で、グーグルは大企業だ。当社は間違いなく全力を尽くしている」と語ったが、これは失態だった。1万7000人の従業員が抗議のストを実行したばかりだというのに、全力を尽くしていると発言するのは良い考えとは言えない。

ピチャイはここで、次のようなことを言うべきだった。

「これはグーグルにとって劇的な瞬間だ。従業員による抗議、怒り、不満の高まりからは、私たちが間違いを犯し、多くの従業員を傷つけたことが示されている。グーグルでは自分たちが高い基準を設けていると思っているが、自分たちの不十分な点に気づいていなかったのは明らかだ。今後は具体的な対策を講じることを約束したい。しかしそれだけでは十分ではない。従業員らがこの言葉を信用するには、こうした対策の詳細を知り、具体的な結果を目にする必要がある」

「私たちはこれまで、多様性へのコミットメントを表明し、グーグルでの給料の性差はゼロであると誇りをもって公表してきた。しかしこの数字は、同じ職に就く男女の給与差に関するものだ。全体的な報酬の差を性別ごとに分けると、確かに大きな差がある。当社の女性従業員比率は2014年から変わっていない。また、5人の経営陣のうち女性は1人だけだ。35人いる役員のうち女性はたった23%で、理事10人のうち女性は2人だけ。これは容認できない」

「木曜日の抗議活動は、NYタイムズ紙に掲載されたとても衝撃的な記事に対するものだった。私はショックを受けた。抗議参加者から本日受けた要求に対しては、詳細に回答する。参加者には、いつ何が発表されるか、どのような成果が期待できるかを知らせる。また同紙が伝えたような容認できない行動のまん延を許してしまったグーグルの企業文化を見直すプロセスを始動させる。そして、その文化を変えるための具体的な対策についても従業員に報告する」
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編集=遠藤宗生

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