「歩みより」はあるか?
中国はトランプに対し、比較的おとなしい対応を取っている。だが、報復措置は講じている。トランプが再び追加関税措置を発動すれば、中国もさらなる報復関税を課すだろう。
フランスの銀行大手BNPパリバによれば、さらなる追加関税が発動され、中国からの輸入品全てが米国の制裁対象となれば、株式市場が急速に調整局面に入る可能性もある。そうなれば、国内総生産(GDP)の伸び率は米国が0.4ポイント、中国は1ポイント押し下げられる見通しだという。
BNPパリバは、「米国が中国からの輸入品全てに追加関税を課すことはない」というベースラインシナリオが成り立つ可能性は、現時点では五分五分だとしている。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは11月末から、主要20カ国・地域(G20)首脳会談が開かれる。出席するトランプと中国の習近平国家主席の会談が行われれば、幾らかでも相互の信頼を取り戻すことに役立つかもしれない。
トランプが示す「米中のリーダーは依然として友人同士である」との認識は、投資家たちに「素晴らしい取引」の成立、あるいは両国が当面、問題を棚上げにすることへの期待感をもたらすかもしれない。