2001年以降に生まれたZ世代は、77億人近くに上る世界人口の約3割を占め、数でミレニアル世代を上回ろうとしている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、Z世代は「…経済と社会の混乱のあおりを受け、慎重で頑固になった世代」だ。
また、「失業率が4%となる中で成人を迎え始めた」Z世代には、経済に世界恐慌と第2次世界大戦の影響が残る中で生まれ、戦後の好景気を経験した1928~45年生まれの「沈黙の世代」との類似点もあるという。
「アンチ・ミレニアル世代」と呼ぶ人もいるZ世代は、ミレニアル世代とは全く異なるものを求めている。小売業者が覚えておくべきこれら2つの世代の主な違いには、次のようなものがある。
1. ジェンダーに対する見方
ある調査で、「性別は以前ほど、人を定義する上での重要な役割を担っていない」という考え方に対して「まったくそのとおりだと思う」と答えたZ世代の回答者は、38%だった。ミレニアル世代では27%が、同様の見解を示した。
さらに、13~20歳の消費者のうち、知り合いに「彼(he)」や「彼女(she)」の代わりに性別を特定しない「ze(ズィ)」や「they」「them」などの代名詞を使って話す人がいると答えた人は、55%に上っている。
2. 社会問題への関心度
ブランドが社会問題への取り組みに積極的かどうかという点は、Z世代の購入決定に大きな影響を与えるとの調査結果が示されている。
小売各社やブランドは、自社のサプライチェーンに人道主義や持続可能性に関連のある要素をいかに取り入れることができるかについて検討し、実店舗でもオンラインでも、自らの責任ある行動について積極的に訴える必要がある。