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2018.10.04

パナソニックが「LUMIX」で狙う次世代ミラーレスカメラの頂点

LUMIX DC-GX800K 4Kミラーレスカメラ(Grzegorz Czapski / Shutterstock.com)

ドイツのケルンで2年に1度行われる世界最大の写真・映像機器のトレードショー「フォトキナ(Photokina)」が9月26〜29日に開催された。フォトキナは、各メーカーが新製品の発表を行う場として知られるが、今年最も注目を集めたのはパナソニックだった。

同社は来年、「LUMIX」シリーズからフルサイズミラーレスカメラを2機種リリースする。これまで、LUMIXはオリンパスと同じくフォーサーズ規格に特化してきた。

LUMIXの「S1R」と「S1」は、フルサイズミラーレス一眼として、世界で初めて4K60p動画撮影に対応する。レンズマウントには「ライカ(Leica)」のLマウントを採用し、Lマウント対応レンズであれば他社製品も使用することができる。

また、両機種とも手ブレ補正機能「Dual I.S.」に対応する。「LUMIX S」シリーズは、2019年初めにグローバルリリースされる予定だ。パナソニックは、「LUMIX S」シリーズ対応レンズのラインナップを拡大し、50mm/F1.4や24-105mm、70-200mmを含め2020年までに10本以上を発売する予定だという。

「S1R」と「S1」の主な機能は以下の通りだ。

・最新の35mmフルサイズイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載。「S1R」は、4700万画素、「S1」は2400万画素のセンサーを搭載。
・フルサイズのCSC(コンパクトシステムカメラ)/ミラーレスカメラとしては世界で初めて4K60p/50p動画撮影に対応。
・フルサイズカメラとしては世界で初めて手ブレ補正機能「Dual I.S.」に対応。低照度下や遠方の撮影も三脚なしで撮影が可能。
・パナソニック製品としては初めて、XQDカードとSDカードのデュアルスロットに対応。
・頑丈な3軸チルト液晶モニターを搭載。
・ライカのLマウントを採用し、規格に適合したライカやシグマのレンズを使用することが可能。

パナソニックは、マイクロフォーサーズのミラーレス機である現行の「LUMIX G」シリーズ向けに、世界で初めてズーム全域で開放値F1.7を実現したズームレンズ「ライカ DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7 ASPH.」を開発すると発表した。

LUMIX「GH5」「G9」「GH5S」など、ハイエンドなミラーレスカメラが高い評価を得る中、今回のパナソニックによる発表は非常に興味深い。「GH」と「G」シリーズは、コンパクトなサイズと高い画質が、映像監督や映像制作会社などから高い支持を得ている。

キャノンとニコンは既にフルサイズ市場への参入を表明しており、パナソニックはこれに続くことになる。後発のソニーがフルサイズミラーレス市場に本格参入し、プロ写真家らがミラーレス/コンパクトシステムカメラの高い画質や小型で軽量なデザインといった利点を支持する中、この数年でミラーレスが主流になりつつある。

編集=上田裕資

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