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2018.09.21 08:00

ユーザベースを内部崩壊の危機から救った、7つのルールとは?|新野良介

ユーザベースが毎年製作している、7つのルールにまつわる1年間の思い出がつまった「Year Book」

ユーザベースが毎年製作している、7つのルールにまつわる1年間の思い出がつまった「Year Book」

「経済情報で、世界をかえる」をミッションに掲げ、企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」を提供している株式会社ユーザベース。2008年創業のベンチャー企業でありながら、2013年に上海・香港・シンガポールに拠点を開設し、2016年にはスリランカにリサーチ拠点を開設。
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翌年、2017年にはNewsPicksの米国進出に伴い、Dow Jones社との合弁会社をニューヨークに設立するなど、グローバルでアナリストや編集者、公認会計士など多種多様なプロフェッショナルが集まる会社としても名を轟かせている。今回は、同社の取締役・新野良介氏に起業家の素養や組織づくりの秘訣などについてドリームインキュベータ小縣が聞いた。(全7話) ※本記事は2017年7月21日に実施したインタビュー内容を基に作成しております。

多様な仲間をひとつにする、「言葉」の重要性

──御社は「7つのルール」を掲げておられます。これは社員数が30名を超えた頃、内部崩壊の危機にあって作られたとのことですが、その「30名の壁」とは具体的にどういうものだったのでしょう?また、どのようにしてルールを考案したのか、ルールの効能はどのようなものかについてもお聞かせください。
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弊社の掲げている7つのルールとは、以下の通りですね。



ルールの重要性を感じたきっかけは、兄と焼肉レストランを経営していた時のことです。

当時、「北関東で一番の焼肉屋になろう!」なんて話をよくしていたんですが、スタッフが兄派、私派、そして料理長派に分かれたりして、意見がなかなか一致しなかったんですよ。

でも、「『この店を生き残らせて、少しでもこの苦労から解放されたい』というのは全員共通だよね」という認識が生まれてからは、上手く回り出しました。

そういう風に共通の約束事に基づいて各々意見を言い合うようにすれば、感情的にお互いに主張しあうような生産性が低い議論から抜け出して、より高度な次元の話し合いができるようになりやすいと思います。

多様性のある集団をひとつにするためには、最低限の約束事を言葉にし、共通言語として思考の真ん中に置くということが非常に重要になってきます。

昔から宗教や近代政治などでも使われてきたように、そのコミュニティにとって最低限の一番大事な約束事を持つということは、いわば人間の知恵ですよね。

──言葉の重要性を考えて7つのルールを作られた。

7つのルールを作る前の頃にそれを言うと、弊社代表取締役社長(共同経営者)の梅田も稲垣も、反応は悪くないんですが「何かちょっと違うな」という顔をしていました(笑)。

梅田は「そういうの大事だよね」と言いつつ、「ちょっと精神論かな」とも感じていたと思うんですよね。

当時私が感銘を受けていた「ビジョナリーカンパニー」やリカルド・セムラー氏の本を渡していたのですが、後々に梅田のインタビュー記事を見ると「しょっぱい本をよこしやがってと思っていた」というようなことが書いてあったり(笑)。

稲垣も梅田と同じように肯定してはくれたんですが、技術者でもあるので「その話もいいけどモノを作らないと生き残れないから、とりあえず開発を前に進めましょう」という感じだったような気がします。

3人とも共通して理念が大事だという認識はあったんですが、その強度が三者三様だったんです。
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文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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