「こうありたい」ではなく「自分達らしさ」を言葉に落とし込む
それが形になったのは、社員が30名を超え、私が病気になって戦線離脱した頃。その時、二人はよほど辛かったようで、「やっぱりもう一回、企業理念を打ち立てよう」という話になりました。
「7つのルール」を作るにあたって良かったのは、「こうありたい」を書いたのではなく、「既にこのコミュニティーはこうである」というものを謳ったことだと思います。
「こうありたい」という希望に基づいて理念を作ると、常に差分を追いかけることになるじゃないですか。例えば、「奥さんには常に優しく」と掲げていても、どうしてもそれに反してしまう場合がある。
ですから、すでにある自分たちらしさ、つまり、「ユーザベースらしさってこういうことだよね」ということを洗い出しました。この過程では、「理念が本当に大事なんだ」という経営陣のコミットと、「理想を描くんじゃなくて、既にある自分達らしさを定義する」というセットが重要だったと思います。
──考える際にはどのような議論をされたのでしょうか?
梅田、稲垣、私の3人で侃々諤々(かんかんがくがく)話し合いましたね。
「人に優しいよ」「優しいとも限らないんじゃない?」「だけど、やっぱり人が困ってる時は声をかけるよね」という話から「渦中の友を助ける」というルールが生まれたりしました。
弊社は自由主義なので、いつ何時でも「大丈夫?」と尋ねるのも尋ねられるのも、信頼されていない、もしくは自身の裁量権を狭められているようで抵抗感じるんです。
抵抗を感じる一方で、でも困った時には腕まくりして助けに来てほしい(笑)。そういうメンバーが多いよね、と考えて言葉にしたおかげで、メンバーに浸透しやすかったと思います。
このように、ルールを言葉に落とし込む際には、「ユーザベースらしさってこうじゃない?」と書き出し、それを洗練させ……というのを繰り返し、最後の表現の部分にはプロのコピーライターにも入ってもらいました。
私達のラフな言葉をより洗練させて強く表現してもらったおかげで、今の7つのルールが完成しています。