もちろん、本物をドライブするのとは異なるが、それでもかなりリアルに近い。そのクルマがどんな性格でどんな音がするかなどを実感できる。
とはいえ、グランツーリズモでは分からない何かが、リアルにはある。先月BMW M240iを試乗した時、ハッと思ったことがあった。それは、「今、運転しているのは、基本的にトヨタの次期スープラなんじゃないか?」ということだった。
僕が情報をキャッチしていたスープラのエンジンと8速A/Tなどの詳細は、BMW M240iと同様じゃないか。トヨタとBMWが次世代スープラとZ4を共同開発してきたことは、周知のことだ。どちらも来年デビューする。
スープラの開発主査、多田哲哉氏から聞いたことは、新型車はBMW製のツインスクロール・ターボ付き3.0リッター直6で、8速A/Tとの組み合わせになるということだった。パワーは340psで、最大トルクは51.0kgm。
ということは、以前にリポートしたように7月にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードというクルマの祭典で、カモフラージュを施されて名物の坂道を駆け上がっていったスープラのコセンプトの動力とまったく同じだ。
トヨタ・スープラ(A90)
しかも、「新スープラは、改良されたBMWの後輪駆動プラットフォームとサスペンションを採用する予定だ」とも、トヨタ関係者から聞いていた。そこから推測すると、僕が東京で試乗したM240iこそ、仮装したスープラとほぼ同じクルマではないか……! トヨタの目指す新スープラの方向と目的にぴったりと合致している。
そう考えると、思わず頬がゆるんでしまう。