彼女は現在、ナッシュビル本拠の「Big Machine Label Group(BMLG)」とレコード契約を結んでいるが、今年11月で契約は終了する。報道によると、その後の彼女はフリーエージェント状態になるという。
2017年のアルバム「Reputation」の販売数は190万枚を超え、全米トップのセールスを叩き出したテイラーは名実ともにスーパースターだ。現在ツアー中の彼女はスタジアム公演をソールドアウトにし、1都市あたり平均700万ドルの売上を記録している。
ここ最近、関係者の間では彼女の今後の動向に関し、さまざまな憶測が浮上した。古巣のBMLGを離れ、ユニバーサルミュージック傘下の別会社に移籍することもありえるし、別のメジャーレーベルに移る可能性もある。また、自身のレーベルを立ち上げることもありうるだろう。
いずれの場合も、テイラーは無名の少女シンガーだった時代からは想像もつかない巨額の報酬を得ることになる。15年前に彼女の才能を見出したのは、BMLGのスコット・ボーチェッタだった。
しかし、テイラーはこのままBMLGとの契約を更新すると考えるのが妥当だと思われる。背景にはテイラーの家族が長年BMLGの株式を保有していることがあげられる。テイラーの関係者にとっても、BMLGが非常に価値のある企業であることは明らかだ。
BMLGはテイラーに加え、リーバ・マッキンタイアやフロリダ・ジョージア・ラインといったカントリーの大スターたちを抱えている。ボーチェッタは2015年に、BMLGを2億5000万ドル程度で売却することを検討し、大手メジャーレーベルやスナップチャットも関心を示した。しかしその後、彼は売却計画を撤回。ユニバーサルとのディストリビューション契約を復活させ、レコードレーベルRepublic Nashvilleの支配権を握ることになった。
テイラーが今後、新たなレーベルと契約を結ぶことは十分可能だ。しかし、彼女の過去の楽曲の権利はボーチェッタが握っている。ボーチェッタはスウィフトを引き止めるために、過去の楽曲の権利を彼女に譲り渡す可能性もある。
テイラー側としても、過去のマスターを自身の手に取り戻した上で、BMLGでの活動を続ければ、彼女自身や家族の財産をさらに増やすことができる。また、彼女や家族のBMLGの持ち株を増やすことも可能だろう。
上記のような理由から、テイラー・スウィフトが今後もBMLGでの活動を継続するというのが、筆者の見立てだ。