復刻モデルでこそブランドの個性が強調される

ヴァシュロン・コンスタンタン

今年も例年通り、スイスに世界中の時計バイヤー、ジャーナリストが集結し、時計の祭典ともいうべきフェアが行われた。現在は、大きくジュネーブとバーゼルに別れて行われている時計フェア。

今年は、これまでの原点回帰をさらに成熟させ、各ブランドが充実した新作をラインアップしてきた。ここ数年、多くのブランドが個性を見つめ直した時計作りへとシフトいたこともあって、とくに目についたのが、復刻モデルである。

過去にあったモデルを現代の技術で味付けをする。それはムーブメントだったり、ケース素材だったり、ケース径だったりとさまざまだ。ただ、もともと持っている上質のコンテンツを現代にフィットさせるという作業は、明らかにそのモデルの進化であり、ユーザーにとっても嬉しい取組みといえるだろう。

ブランドとしては、やはり歴史があり、かつ、継続してトップブランドであることが条件となる。そうでないと、復刻するものもなければ、する意味もないからである。

内容は、過去にあった名作モデルを、その記念すべき年にほぼ同じデザインで復刻させたもの。そのデザインをベースに、新たなコレクションとして再構築したもの。そして、名作が持っていたデザイン要素を活用して、ほぼ同じような感じで蘇らせたもの、と大まかに3パターンほどある。

いずれもそのブランドらしい個性が宿っている。それだけに、ファンにはたまらない魅力のあるモデルなのである。



TAG HEUER /タグ・ホイヤー
ホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ ガルフ エディション

映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが着用して注目を集めた「モナコ」。ガルフ・カラーのダイヤル、左リュウズ、ヴィンテージのホイヤーロゴなど、オリジナルを忠実に再現したモデルは、注目の人気モデルである。自動巻き、SSケース 、39×39mm 63万円 問/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 03-5635-7054


OMEGA / オメガ
シーマスター 1948
スモールセコンド

現在、007が着用するなどで人気を博す「シーマスター」の初代モデルである。ダイヤルが外周に向って沈み、それに合わせてリーフ型の分針もカーブするという、より繊細なデザインとなっている。世界限定1948本。自動巻き、SSケース、38mm径 71万円 問/ オメガお客様センター 03-5952-4400


VACHERON CONSTANTIN / ヴァシュロン・コンスタンタン
フィフティーシックス・オートマティック

1956年に発表されたモデル「リファレンス 6073」から着想を得て製作された。モデル名も製作された“56年”に因む。デザイン的特徴は、マルタ十字のモチーフとベゼルからヴァシュロン高く盛り上がる“ボックス型”の風防。自動巻き、SSケース、40mm径 128万円(予価)問/ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755
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文=福留 亮司

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