調査企業「Newzoo」は2018年に世界で23億人のゲーマーらが、1379億ドル(約15兆円)をゲームに費やすと予測し、その28%が中国市場で生み出されると述べている。しかし、中国本国のゲーム市場は成長の壁につきあたっており、現地のテック企業は海外に目を向け始めている。
テンセントは先日、新たなゲームプラットフォーム「WeGame」を香港で立ち上げると宣言した。これは西側諸国の「Steam」に相当するものだ。この動きの背景には、中国政府によるゲームの検閲を回避したい狙いがある。
海外から中国に輸入されるゲームは、中国政府の基準に合致する必要があり、暴力やポルノ的コンテンツは認められない。昨年、米国のゲーム会社「PUBGコーポレーション」は同社の代表作を中国で配信しようとしたが、国家新聞出版総署(GAPP)の許可を得られなかった。
しかし、香港では「一国二制度」のポリシーがあるため、テンセントのWeGameプラットフォームは中国政府の検閲を受けず、海外と同じゲームが配信できる。これは中国のゲームデベロッパーたちにとって朗報だ。彼らはWeGame経由で、海外市場向けの検閲を受けないゲームを配信できるからだ。
中国には巨大なゲーム開発企業が多数あり、彼らが海外市場向けのゲーム配信を開始するとしたら、これは非常に興味深い事態になる。中国のゲーム企業は間もなく、莫大な売上を海外での配信から得るようになるはずだ。