こうした需要が高まる中、毎月1冊のノンフィクション書籍が送られてくるサブスクリプションサービス「WILDWOMAN」が英国で始動した。
創業者のDonna Louise Hayは、個人の幸せよりも結果を出すことを重視する社会の風潮が人々にプレッシャーを与えていると述べる。Hayの起業には、自身が抱えていた問題が関わっている。
「私は生まれつきの読書家で本が大好きだが、ノンフィクションを読むようになったのは辛い時期があったからだ」とHayは語る。「深い悲しみがあった時期が長く続き、友人の自殺もあって、本で自分自身を癒していた。書籍に書かれた言葉は多くの人の心に響くものだ。何冊かを薦めた友人から読書会を始めたらいいと言われ、GozenGirlsという読書会を地元で立ち上げた」
この読書会から生まれたのが「WILDWOMAN」で、ノンフィクションを読むことは人々を良い方向に導くとHayは考えている。
「読書会が盛況なので、世界中どこにいても同じような体験ができるようなサービスを提供したいと思った。イギリスでも本のサブスクリプションサービスはあったが、女性向けのノンフィクションを中心としたものはなく、WILDWOMANがこの分野ではパイオニアだ」
WILDWOMANでは月額約28ポンド(約4000円)を支払うと、1か月に1度、本と一緒にその内容にマッチしたギフトも届く。「購読者たちの心を癒すアイテムをボックスに入れて送る。日記や励みになる言葉が書かれたカード、文房具などを考えている」とHayは話す。
「同じ考えを持つ世界中の女性たちのコミュニティーを創りたい。解約率を低くするためには、一貫した価値を提供することが大事だ。WILDWOMANは単なるボックスではなく、エクスペリエンスなのだ」とHayは話した。