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世界漫遊の放送作家が教える「旅番組の舞台裏」

トルコの地中海沿岸の街、フェティエ(Photo by EyesWideOpen/Getty Images)

トルコを代表する街と言えば、イスタンブールである。ボスポラス海峡を隔ててアジアとヨーロッパに跨がるこの街は、まさに文明の十字路に位置し、他のどの街にもない魅惑的な雰囲気を纏っている。トルコの首都はアンカラだが、その知名度からしても、首都より際立つ存在感を放っている。

イスタンブールの街中にはもちろん多くの観光名所が点在し、見所は尽きないのだが、僕はこの街に半日しか滞在したことがない。あくまで「トランジットのあいだの時間潰し」としてしか、立ち寄ったことがないのだ。世界的な観光都市であるこの街をやり過ごし、僕が向かうのはフェティエという街である。

地中海でヨットクルージング

イスタンブールから南へ1時間も飛べば、そこはもう地中海である。フェティエは、その飛んだ先にあるダラマンという空港から、さらに車で小1時間ほどのところにある。トルコで地中海と聞いてもあまりイメージが浮かばないとは思う。しかし、トルコの地中海沿岸は、それこそフランスのコート・ダジュールやスペインのコスタ・デル・ソルに負けず劣らず、見方によってはそれ以上の魅力を秘めている。

コート・ダジュールやコスタ・デル・ソルにある街と同じように、フェティエの街も地中海に臨むリゾート地として発展している。地中海のリゾートでバカンスを過ごすとなれば、「一度くらいはヨットでクルージングできたらなあ」などと夢見る方も多いと思うが、ここフェティエでは、夢に見ずとも、実に気軽にヨットをチャーターし、クルージングを楽しめる。

ヨットをチャーターするなんて、日本ではなかなか想像さえもできないだろう。本当に気軽にできるのかと、疑問に思われるかもしれない。しかし、そんな非日常的体験を簡単に味わわせてくれるところが、フェティエの最大の魅力なのである。



なぜそんなことができるかといえば、まずなんといっても物価が安いからである。ただでさえトルコの物価は欧米や日本と比べて安いのに、ここ数年はトルコリラの暴落という追い風も吹いている。旅の予算が少なくて済むというのは、懐だけでなく精神的にも余裕が生まれるし、なによりそれだけ贅沢な旅を満喫できるということにもなる。

トルコと同じように地中海に面する国でも、イタリアやクロアチア、ギリシャなどは、ヨットの繋留料が高いそうだ。しかし、トルコはそれらの国に比べて繋留料が安いので、ドイツ人やイギリス人たちのなかには、ここフェティエにヨットを繋留する人が多いという。

とはいえ、彼らは毎日フェティエにやって来てヨットに乗るわけではないので、自分たちが乗らない間はレンタルに出す。さながら、ヨット版エアビーアンドビーといったところか。このようなレンタルシステムが充実していることも、フェティエでチャーターしやすい理由のひとつだ。

さらにもうひとつ、われわれ日本人にとって重要な理由がある。ここフェティエには、日本人が経営に携わるヨットのレンタル会社があるのだ。フェティエのギョジェキというマリーナに拠点を構える「Irmak Yachting」がそれだ。この会社を取り仕切っているのは、関西出身のゆかりさんとトルコ人のギュチルさんご夫妻。日本語で手続きが進められるというのは、なんともありがたい。

文=鍵和田昇

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