ライフスタイル

2018.07.15 12:00

日本人好みのドイツ製ハッチバック「GTI」乗り比べ


一方でポロGTIはさすがにルーミィで、走りの味付けもup!と異なり、その違いは乗って5秒でわかる。そりゃ、こちらがメインコースなのだから。

200psを発揮する2.0Lターボチャージャー付き4気筒エンジンのポロは、中域もトルクが太くスロットル・レスポンスも素晴らしい。6速DSG ギアボックスはエンジンにぴったりマッチして、シフトも素早い。

ただ、元気のいいゴルフGTIの弟にあたることを思えば、ポロGTIの室内で感じるサウンドや路面フィール、そしてパワーの供給はもう少しスパイスをかけて欲しかった気もする。とはいえ、充分なパワーだ。


ポロGTI

前輪駆動で、ハンドリングが正確でグリップレベルがよく、すっきりキビキビとコーナーに入り、曲がるときのバランスもいい。コーナリング限界近くでは少しアンダーステアが出てリアが振られる感じではあるものの、問題なくコントロールできる。

言うまでもなく、ポロのシートはGTIのタータン柄で、それがインテリアに楽しい雰囲気を与えている。さらにポロGTIにはハイテク・タッチスクリーン、ツー・トーンのダッシュボードとスポーティなパドルも備わっている。



今回乗り比べた2つのハッチこそ、GTIの概念をよく体現しているモデルだ。

その名前の意味、パフォーマンス、それぞれの存在感といかに運転して楽しいかが凝縮されている。もしゴルフGTIがカカオ85%のチョコレートだとしたら、ポロGTIは75%、そしてup! GTIは65%。でも65%としても、up! GTIはとっても美味しい。しかし残念ながら、日本にやってくるup! GTIはわずか600台で、すでに完売。ということで、やっぱり惜しくもポロGTIに軍配を上げよう。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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