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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

フォルクスワーゲン up! GTI

世界中が自動車メーカーが電気化を目指し、内燃機関エンジンからどんどん離れようとしている今日、頑なにガソリン・ターボエンジンにこだわり、スポーティーなホットハッチを作る勇敢で冒険心のあるメーカーがあると、清々しい気分になるのは僕だけだろうか?

ここで、フォルクスワーゲン GTIを紹介しよう。

GTIという名称が一般的に使われるようになったのは、1976年にフォルクスワーゲン社がゴルフGTIを発売したときからだ。それは伝説的なモデルとなり、やがてVW社のGTIは4つのモデルに発展する。

現在VW社のラインナップにはup! GTI、ルーポGTI、ポロGTI、そしてゴルフGTIが揃い、それらどれにも、外観から室内、そして走りの性能にまでGTIのDNAが満ちている。

あれから、42年経った今登場するのは、オリジナルの(初代)ゴルフGTIの精神を引き継ぐup! GTIだ。 はち切れそうなホットハッチの楽しさを見極めるために、富士スピードウェイのショートコースで、ポロGTIと同時に試乗してきた。



それはまるで、VW社が用意したフルコース・ディナーだった。まずはup! GTIがスープと前菜、そしてポロGTIがメインコースとデザートとして供された。というのも、2つのGTIはこれ以上ないという程、互いに違うモデルだったからだ。

up! GTIは、1.0Lターボ・エンジンに6速M/T。一方ポロGTIは、2.0Lターボに6速DSGデュアル・クラッチのギアボックスという組み合わせだ。とはいっても、同じ「キッチン」で同じ「シェフたち」が、ほぼ同じような素材を使って料理したのだから、どちらも相手を引き立て合うように仕立てあげられている。つまり、どちらかを走らせてみると、他方にも乗りたくなるのだ。

外観はup! GTIもポロGTIも、GTI特有の赤いストライプが施され、インテリアは赤と黒のツートーンで、シートにはタータンチェックのクロスが用いられている。ブレーキ・キャリパーはもちろん赤だ。



up! GTIの運転席に乗り込んでまず気がつくのは、その音だ。近頃ありがちな人工のエギゾースト音がスピーカーから聞こえてくるなんていうことはない。VWのエンジニアたちは、3気筒エンジンの太く低音で、野性的な唸りを設計したので、ちょっと控えめなポルシェ911のようなサウンドだ。これには驚くと同時にすぐにヤミツキになり、気づいたら必要以上にギアシフトしていた。

113psとパワフルではないが、トルクが200Nmで車体が軽量な小さなハッチは低回転域から充分引っ張ってくれる。微かなターボラグはあるものの、スロットル・レスポンスはいい。6速マニュアルはストロークが多少長いとはいえ、ギアはカチッと入るし、1.0Lエンジンにぴったりの組み合わせだ。



ホイールは17インチで、バネとダンパーはちょっと固めにしてあるが、わずかにボディロールがあるものの、主に市街地の走行が目的のモデルに合わせて乗り心地は穏やかになっている。ステアリングはスポーツカーほどキレないにしても、充分正確でフィードバックもいい。

文=ピーター・ライオン

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