人気ゲーム「マインクラフト」のプレイヤーであるDanTDMこと、ダニエル・ミドルトンは2017年、世界で最も稼いだユーチューバーになった。
ミドルトンがレッドカーペットを歩く姿は見られないかもしれないが、彼はすでにセレブだ。ユーチューブのフォロワー数は1800万人を超え、世界ツアーも大盛況(シドニー・オペラ・ハウスでのライブは4夜ソールドアウトした)。昨年の収益は1650万ドル(約18億円)で、フォーブスが2015年にユーチューバー・ランキングを開始して以来の最高額となる。
ユーチューバーたちは自らのマーケティング戦略をますます洗練させ、それがより大きなツアーや好条件のブランデッド・コンテンツ契約、そして商品販売などにつながっている。
上位10人のユーチューバーが昨年1年間に稼いだ金額は、前年度比80%増の総額1億2700万ドルに達する(2016年6月1日〜2017年6月1日。マネジメント手数料・税引き前)。その大部分は、チャンネル視聴による広告収入だと見られている。また上位10人のうち、6人は今回ランキング初登場だった。
「テレビと違ってユーチューブがクールなのは、あまり競争が激しくないこと。誰でも参加することができて、ユーザーは自分の好きな人を見られる」と、昨年ミドルトンは英紙「ガーディアン」に語っている。
注目すべきは、上位10人の半数近くをゲーマーが占めることだ。視聴者は、彼らが含蓄のあるコメントをしながら最新のゲームをするのを楽しむ。
何十億人もの視聴者をもち、数十万ドルのブランド契約を行い、10代の若者が大好きな商品をもつゲーマーたちは、これまで以上に稼げる存在になっている。
「ゲーマーは、双方向から求められている」と語るのは、ブランデッド・コンテンツのプラットフォーム「Captiv8」の共同創業者クリシュナ・サブラマニアンだ。
「視聴者はゲームのヒントやトリックを求めて常に増えています。またゲーム会社は、競争が少なく、より親しみの感じられるスペースでの広告手段と見ているのです」
一方、評価を下げたユーチューバーもいる。スウェーデン人のPewDiePieの収入は前年比で20%減少したが(第6位、1200万ドル)、これは彼の人種差別的な発言やビデオが批判されたためだ。グーグルは、一部の人気ユーチューバーにより高い広告収入を付与する特別プログラムから彼を排除し、多くのマーケティング企業が彼をブラックリストに載せた。その結果、広告収入とブランデッド・コンテンツ契約が急減したのだ。