E3の会場で任天堂は25分間をかけてニンテンドースイッチ向けの新作ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(Super Smash Bros. Ultimate)」の魅力をプレゼンしたが、投資家の反応は冴えなかった。
その一方、テキサス州本拠の世界最大のゲーム販売店「GameStop」のバイスプレジデント、Eric Brightは業界メディア「GamesIndustry.biz」の取材にこう述べた。
「E3開催の週に、小売店でのスイッチのハードの売上は2倍に伸びた。任天堂のE3での発表は失敗ではない。『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』は予約注文数ランキングのトップに立とうとしている。また、ポケモンの最新シリーズ『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ』や『ポケットモンスター Let’s Go! イーブイ』も非常に高い評価を得ている」
さらに、米国アマゾンの売上げランキングでも大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALは、ベストセラーにランクインしている。
E3はゲーム関係者がグローバル市場の動向を探るうえで確かに重要なイベントだが、アナリストたちは任天堂が独自の配信チャネル「Nintendo Direct」を通じ、新作を告知していることを十分認識していないようだ。任天堂は自社ウェブページやYouTubeで配信するNintendo Directで、年間を通じ複数の新作の発表を行なっている。
任天堂の前社長の君島達己は先日の株主総会の質疑応答で、「当社はまだ、今年の年末商戦向けの新作タイトルを全て発表したわけではない。これから発表するタイトルがまだ残っている」と述べた。さらに、今期のスイッチの出荷台数が2000万台を突破する見通しであると話した。
筆者の予測では、スイッチの出荷台数は2300万台を突破する可能性が高く、このところの任天堂の株価の下落は不可思議に思える。また、GameStopは米国の一量販店ではあるが、ここでの売上はグローバル市場での動向を示す重要な指標といえる。
つまり、スイッチ向けの新作が発売される年末になれば、投資家らは再び任天堂に対する評価を高め、株価も回復しているはずだと筆者は見込んでいる。