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2018.08.31

イノベーターたちの思考。アイデアか技術力か? いえ、「胆力」 です

麻布「AIT」の窓際で交わされるのは、いま最もイノベーションを体現する二人の知見

アクセンチュアがイノベーションのハブ拠点「AIT」を置く麻布十番には、日本最大級の女性向け動画メディアを展開するC Channel株式会社もオフィスを構えている。他にも多数のイノベーションを標ぼうするプレーヤーが麻布十番に集結している。そして、それは偶然ではない。同社代表取締役社長 森川亮と、アクセンチュアでチーフ・マーケティング・イノベーターを務める加治慶光が、麻布がイノベーションの発信地になる理由を語る。


麻布で語られるのは革新の当事者として「見てきたこと」

──六本木や品川、渋谷、新宿と、先進的な企業が軒を連ねるエリアがあるなかで、奇しくも麻布十番の同じビルにオフィスを構えるアクセンチュアとC Channelですが、今この地域が、新たなイノベーションを牽引する土地になりつつあるのは一体なぜなのでしょうか?

加治慶光(以下、加治): おかげさまでアクセンチュアの日本におけるビジネスは年々拡大しています。それに比例する形で社員数も増加を続ける中、カルチャーや働き方をはじめ、多様なバックグラウンドを持つ人材がコラボレーションし、お客さまに新たな価値を提供することがますます重要になってきています。麻布という地域は、古くからそのような多様性(ダイバーシティ)を柔軟に受け入れながら発展してきたエリアであるということが今、麻布に元気な企業が集まってきていることの理由に挙げられるのではないでしょうか。これにはいくつか裏付けがあります。

ひとつは、麻布は多くの大使館を抱えるなど、国際色豊かなエリアであること。多様な文化や人種を受け入れる「寛容さ」を備えた地域であることは、イノベーションに重要な要素。異なる知と知が出会い、混ざり合うことによって起こるものですから、街中で誰が何をしていても受け入れてくれる麻布の寛容な土地柄はその拠点として適しているのです。

また、都心でありながらビジネスの中心地から辺境に位置していることもポイントです。霞ヶ関、丸の内、渋谷、品川、新宿といくつも重要なオフィス街、また霞が関や永田町のような政府機能が集積する地域などから、麻布は適度な距離を持っており、どのエリアのカラーにも染まらず、あらたな「ハブ」として存在できる。この距離感こそがイノベーションを生み出す辺境の拠点として、重要なのではと考えています。多様な背景を持つ組織が等距離で集う“アザブノミクス”と呼ばれるイノベーションの新しい形が生まれつつあるのではないでしょうか。

森川:C Channelの場合は、若い女性向けのビジネスを展開していることもあり、品川や五反田にオフィスを構えてしまうとみなさんが来てくれないのでは……という印象がありました。弊社はもともと原宿で創業したのですが、業務拡大に伴う次なる移転先として渋谷川によって若者の街である渋谷、原宿にも文化的につながっているイメージがあるこの麻布の街にオフィスを置くことにしました。


C Channel株式会社 代表取締役社長 森川亮|イノベーションを体現する同社もAITと同じビルに入居する。麻布がイノベーションの聖地の所以。

加治:森川さんは、感覚的なように思えて非常に戦略的に経営判断をされる方だと常々思っていました。御社は国内だけでなく、中国の企業とも10年以上前からコラボレーションをされていますが、日本人の経営者のなかには、中国から出資を受けること自体がリスクであると考える人たちもいますよね。しかし、このまま日本の人口が減少していくなかで既存の資本形態であり続ければ、いつまでも中国の市場に入っていけないことは明白です。森川さんは、そのようなグローバルな視点で経営判断をされていますし、だからこそ自然な流れの中で寛容なこの麻布の土地を拠点に選ばれたのでしょうね。

──これまで、C Channelは縦長動画など独創的なアイデアで既存のサービスを刷新してこられた印象があります。森川さんはソニー、LINEとイノベーティブな企業を経てきたなかで、日本における「イノベーション」にどのような変化を感じていらっしゃるのでしょうか。

森川:イノベーションそのものが意味する最も大きな変化としては、「スピードが求められる時代になった」ということが挙げられるのではないでしょうか。現代は、何らかのテクノロジーを活用していないイノベーションは、イノベーションたり得ない時代だと感じますし、2000年ごろに比べるとアイデアが形になるスピードもどんどん加速しています。

加治:そうですね。弊社はあらゆる業界のコンサルティングを数多く手がけていますが、森川さんのいらっしゃる業界では特に変化の速度が速くなっていると感じます。私はその原因は、中国の台頭と、それに対する日本企業の危機感だと考えているのですが、森川さんはいかがですか?

森川:10年前であれば、中国の企業の方々の多くは朝令暮改といいますか、かなりラフな面もあったように思うのですが、最近ではアメリカに留学した若い世代が社会に出て来たこともあり、勤勉でよく働く方々が増えています。彼らの仕事のスピード感と勤勉さには、私も日本人経営者として危機感を感じています。中国の市場は成長スピードが日本よりも速く、そこで得られる売り上げも日本とは桁違いですから。

──日本や中国であらゆる企業のイノベーションを目の当たりにされてきたなかで、変革に必要不可欠なものとはなんでしょうか?

森川:アイデアや技術ももちろん重要ですが、「やり抜くための胆力」というのは重要だと思います。三年前に弊社でスマホの縦長動画の配信を始めた時には、「縦長動画なんて誰が見るんだ」と、かなり叩かれました。年長の方からは「森川くんはいつも儲かりそうもないことばかりやっているね」なんて言われることもよくあります。それでも、三年続けていると芽が出てきて、きちんと社会が受け入れてくれる。そうすると今度は同じ人が「ほら、私が言った通りうまく言ったじゃないか」と手のひらを返したり(笑)。

加治:「自前主義」や「オールジャパン」も然り、わが国がかねてより守ってきた既存の価値観や考え方から一歩飛び出たところへ行かなければ、成長はありえないのでしょうね。すでに高度成長期を支えた既存の手法からは脱却する時期が訪れており、そのひとつとして、中国の変化やイノベーションの定義そのものに対する考え方のシフトがあるのだと感じます。


アクセンチュア株式会社 チーフ・マーケティング・イノベーター 加治慶光|その広い見識を多方面で惜しげも無く伝授するイノベーションのエヴァンジェリスト的なリーダーの一人。

イノベーション=大企業とベンチャーの恋愛?

──先ほど、加治さんはイノベーションに不可欠なものとして知と知の出会いを挙げていらっしゃいましたが、最近では大企業とベンチャーがコラボレーションする事例も数多く見られるようになりました。その変化をどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。

加治:イノベーションにおける爆発力は、出会う知と知の距離がひらいているほど強力なものとなります。かつては同じ業界の中だけでコラボレーションしていた企業も、普段は出会うことのない異業種の知見を積極的に取り入れることで生まれるパワーです。その傾向も強くなってきており、大きな潮流のなかで、大企業がベンチャーに対して胸襟を開くケースも多く見受けられますね。

森川:私がかつてソニーに勤めていたときには、「ソニーらしいか、らしくないか」という基準で判断されることもあり、そこには大企業特有のある種の「頑なさ」があったように思います。そのような経験もあって、大企業側のイノベーターと外部の実働部隊が柔軟に協業できるといいな、ということは常々考えていたんです。最近では、大企業の経営者も随分と変わって、まさに「胸襟を開く」ようになりましたね。

加治:そこで重要になってくるのが、ウィーク・タイズとギグ・エコノミーという概念です。ウィーク・タイズは直訳すると「弱い結びつき」という意味ですが、これはささやかな人間関係で、森川さんと私の関係はまさにそれです。頻度は決して多くなくても、会うときちんとお互いの方向性があっている。この、「たまに会うささやかなつながり」があるというのがイノベーションの結束点になります。

そして、それを加速するような最近の働き方がギグ・エコノミーです。これは、まさに音楽のセッションのようにたまにあって仕事をするという意味で、このような関係性の維持が可能になったのは、インターネットが広まってからですね。これによって結果的に出会う知と知の流動性が増し、イノベーションが活発になっているというのが今の状況だと思います。

森川:なるほど。せっかくこのビルにユニークな会社が集まったので、コラボレーションを加速し、まずはこのビルからイノベーションを生み出していきたいと考えています。弊社と御社も同じビルに入っているわけですから、これからもいい関係性をつくっていけるといいですね。そうそう、実は今年のバレンタインデーに私の発案で、弊社の社員とこのビル内の各企業の独身の方々にお声がけして、お見合いパーティのようなものを企画したこともあるんですよ(笑)。

加治:それはすばらしい福利厚生ですね! そう考えると、大企業とベンチャー企業による知と知の出会いも、恋愛のようなものなのかもしれません。今後、事務作業などの実務はAIをはじめとするテクノロジーに代替されていくでしょうが、人と人をつなぐ寛容さのあるこの麻布の土地がより日本のイノベーションシーンを牽引していくことでしょう。

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Promoted by accenture text by Takuya Kikuchi | photographs by Jyunji Hirose

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