しかし、多くのことが不明瞭・不透明なままになっていることや、先が見えない(誰も経験したことがない)ことが原因で、恐れや不安が生まれ、結局アクションに踏み出せていない人や組織が予想以上に多い、ということを前回のコラムで書いた。
そして、そのVUCAの時代に「得たい結果」を出すために、どのようなことが必要かを考察してきた。「忘れがちだけど大事なポイント」が幾つかあり、これらに意識が向いていないことが多い、ということだった。簡単におさらいすると、下記のようになる。
1. 今までと違う結果を出すためには、今までと違う「行動」をしないといけないこと。
2. その行動を生み出すためには、新たな「選択肢」が必要になること。新たな「選択肢」の中から行動しないと、今までと同じ結果になってしまうこと。
3. 新たな選択肢を生み出すためには、異なる視点や視座からの「気づき」が必要なこと。
4. 新たな気づきを得るためには、自分の「意識」や「注意」がどこに向いているか、自分のエネルギーをどこに向けているのかを知る必要があること。
大事なことは、「自分が何を見ているか、何を見ていないか」を認識することであり、その対象物(物事や人など)を「どのように見ているか」「どんな期待や思い込みから見ているか」「なぜその見方をしているのか」などを明確にすることだ。こうすることで、違うものの見方=気づきが生まれてくる。
そしてもう一つ大事なポイントが、何をするにも「意図」を持っているかどうかだ。その行動に対して、欲しい結果を明確にしているか、ただ漠然と行動していないか。誰かに言われたやり方をただやるだけになっていないか。過去から受け継がれて慣れ親しんだやり方を当然と思い込んでいないか。その結果として、うまくいっていないことがきっとあるはずだ。
今ある「欲しくない結果」に対して、フラストレーションやストレスが溜まったり、焦りが生まれるのは当たり前のことだ。しかし、「うまくいかないもどかしさ」に意識が向きすぎていたり、自分の外にある環境要因(組織・他社・自分以外の他者など)ばかりに意識を向けていても、結果は変わらない。「欲しい結果」を得るために、今起きている事実をクリアにし、どうすれば良いかを考え抜き、選択肢を増やし、違うアクションをしないことには、欲しい結果は得られない。