ビジネス

2018.06.16

VUCA時代、ビジネスパーソンが「結果」を出すために忘れがちなマインドとは(後編)

ESB Professional / shutterstock.com


例えば、「思うように部下が育たない」という「欲しくない結果」が起きているとする。その際にまず明確にすることは、「あなたは部下に対してどんな意図を持っているのか?」だ。例えば、その部下に対してどんな期待をしていて、相手にわかるようにその期待を伝えていたかどうか、である。そして、自分の期待と違うことをした時には、年に1度の評価面談の時ではなく、相手にわかるように都度フィードバックをしているだろうか?

さらに、「あいつはいつも失敗する」「あいつには大事な仕事は任せられない」など、部下がうまくできない部分ばかりに意識を向けていないだろうか?強みを見ずに弱い部分を見ていないだろうかなど、自分がどのように部下を見ているか改めて内省する必要がある。

そのようなネガティブな意識の向け方(モノの見方)をしてしまうのは何故なのか? 自分も過去に上司に怒られ続けてきたり、良い部分を認めてもらえなかったなど、自分自身にどんな体験や思い込み、背景があるだろうか?

このように、自分がそもそもどんな「意図」を持っているかを明確にした上で、自分の「意識」がどこに向いているか、どんなバイアスや思い込みがあるかがわかってはじめて、新たな「気づき」が得られる。そして、自分の強いこだわりや思い込みがあることが理解できると、新たな選択肢を生みだすことができる。

新たな結果を生み出すために、自分はどのようにやり方を変えられるだろうか?長年持ち続けた思い込みや価値判断などを手放した時に、どんな可能性が考えられるだろうか?どんな新たな行動が可能になるだろうか?

「得たい結果」を得るために、外部の企業やパートナーに「どうにかしてください」と依頼する企業は多い。ただ、そうやって外部や小手先に頼ってばかりの会社に、将来はないように思う。

時間はかかるかもしれないが、結局は自分自身や自社の社員を「鍛える」ことが大事であり、鍛えるためには何度も繰り返し意識を向け、やってみて、失敗の中から学びを得る必要がある。その繰り返しの中で、個々の脳の筋力や、上司と部下のコミュニケーションが鍛えられ、それらが習慣化する中で「得たい結果を得るプロセスの好循環」が生まれてくる。

結局は「結果」を変えなければ意味はない。やみくもに動くだけで欲しい結果がうみだせないと、ストレスだけが溜まり徒労感で終わってしまう。「得たい結果」を出すためには「忘れがちだけど大事なポイント」が幾つかあるということ、上記のポイントをやり続けることで、少しずつかもしれないが結果を変えられる可能性があること、ぜひ自分の日常や実例に置き換えて実践してみて欲しい。

そして、その変化や難しさを、ぜひ私に教えて欲しい。

連載:組織マネジメント以前に大切なこと
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文=稲墻 聡一郎

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