Loomはこれまで一切プロモーションを行なっていないが口コミで支持を広げ、エアビーアンドビーやDropbox、Googleやレッドブルといった企業でも利用されている。
同社を創業したのはフォーブスの「30アンダー30」にも選ばれた若手起業家たちだ。Shahed Khan(23)とVinay Hiremath(26)、Joe Thomas(28)の3名は2016年にLoomを設立。彼らにとってLoomは初めて世に送り出すプロダクトだった。
米国中西部の出身の彼らは大学を中退し、サンフランシスコに移り住んで、このプロダクトを完成させた。Loomの特徴は、誰でも手軽に音声つきのチュートリアル動画を作成し、チームで共有できることだ。
同社はSlackなどの企業から既に400万ドル(約4.4億円)のシード資金を調達済みだ。出資には「General Catalyst」や「Point Nine Capital」などのVCや投資家のDavid OkunievやEric Wittman、さらにBrian Balfourも参加している。
General Catalystの出資を主導した投資家、Trevor OelschigはLoomの魅力を次のように語る。「このプロダクトは社内会議などのプロセスを大幅に効率化させる。個人間のコミュニケーションを促進しつつ、チーム全体の生産性を高めることができる」
Loomが急成長を遂げた背景には、Slackとの連携がある。Slackは出資を行なう以前にユーチューブなどの大手と並んで、Loomとの連携を開始していた。
Slackの投資部門のJason Spinellは「LoomとSlackの連携はリモートワーカーたちにとっても大きなメリットをもたらす。込み入った業務プロセスも動画を用いた説明で、即座に共有可能になる。彼らとの取り組みに、非常にエキサイトしている」と述べた。
シード資金でLoomは今後オペレーションを拡大し、マネタイズにも乗り出す。数カ月以内にデスクトップ版とモバイル版のアプリを立ち上げ、来年の秋には課金制のプレミアム版もリリースする。有料版にはカスタマイズ性をもたせ、データ収集やタスクの自動化機能も追加する予定だ。
企業のグローバル化が進むなかで、Loomのような動画メッセージツールは、離れた地域の仲間とコミュニケーションをとる上で必須のものになるとKhanは述べる。「動画を通じたリッチなコミュニケーションを職場にもたらすことが、我々の使命だ」とKhanは述べた。