現在、世界的に企業の社会的責任(CSR)は強く求められており、ジェトロ(日本貿易振興機構)が実施した2017年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」 によると、CSRに関する方針の策定について、「方針を策定または検討している企業は 65.6%に上る。しかし、大企業においては77.2%の企業が「方針を策定している」と回答しているが、中小企業では同 24.1%にとどまった。
企業規模の差が、CSRを通じた価値創造を生み出すビジネスに少なからず影響を与えているようだが、社会貢献を事業とするリバースプロジェクトは、大企業ではない。
このような状況下での壮大なイデオロギーの実現をするべく、10期目を迎えた同社。代表の伊勢谷友介と共同代表の龜石太夏匡が現在の率直な想いを語る。
伊勢谷:これからの僕の人生をどうやって使いきるかを考えて、リバースプロジェクトの規模でソーシャルインパクトを出すことを目標にすると、本当にまだまだ足りない。実行したことが社会的価値観になり信用になるからこそ、10期目を迎え、やっとスタートラインに立ったようなもの。
この会社を立ち上げた30歳ぐらいのときは、僕自身の存在を利用することで、「もっと巨大な民衆の意識の変化がおきるのでは?」と映画のような夢物語を描いていた。もちろん、それを信じるパワーがあったからこそ、リバースプロジェクトを立ち上げられた。
しかし、正直、想像していたよりも甘く、自分自身不甲斐なさを感じる部分が多々ある。これが、リバースプロジェクトを起業し、10期目まで継続してきた中で感じている率直な想い。
この反省をふまえ、今後は、実質的な株式会社として、ビジネスとしてももう少しインパクトのある数字を出す必要を感じている。
龜石:10期目までは、正直、それぞれのメンバーが持つ個の力に頼っていた部分が大きかった。今後は、そういった部分を組織化し、社内外のメンバーを含めた各々の役割を明確にしていくことが必要だと感じている。
ただ、そのような仕組みを整えても、その中で責任を全うできるのであれば、個々のメンバーの自由度はこれまでと同様に大切にしていきたいとも思う。というのも、リバースプロジェクトはまだ少人数の社員で動かしている会社。
だからこそ、これまでは強制しなくとも何かあればすぐにみんなが協力できる体制でもあるのが強みだった。今後、社員が増えてもその部分は今のままであり続けたい。