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2018.06.04 11:15

「妊娠可能検査」に革命を起こす30代女性起業家の挑戦

Andrei_R / Shutterstock.com

妊娠可能検査のスタートアップ企業「Modern Fertility」は5月31日、600万ドル(約6.5億円)のシード資金を、ベンチャーキャピタルの「Maveron」や「Union Square Ventures」らの主導で調達したとアナウンスした。

サンフランシスコ本拠のModern Fertilityはこの資金で社員を増やし、先進的な不妊治療研究を進めていく。同社の共同創業者のAfton VecheryとCarly Leahyらは、かつてフォーブスの「30アンダー30」にも選ばれていた。2017年にYコンビネータのプログラムから生まれたModern Fertilityは、以前にも100万ドルを調達しており、累計調達額は700万ドルに達した。

創業メンバーのVecheryは、30代に差しかかり自身で妊娠可能テストを受けた際、医療機関から1500ドルの請求書を受け取った経験を持つ。健康保険でカバーできる不妊治療サービスもあるが、検査結果を受け取るまでに9〜12カ月間、医師のもとに通う必要がある。

Modern Fertilityの妊娠可能テストの価格は199ドルで、自宅か提携先のラボで指先の血液サンプルを採取するだけで検査が行なえる。血液から妊娠に関わるホルモン(テストステロンやプロラクチ、エストラジオール)が分析され、利用者は専用サイト及びアプリで診断結果を受け取れる。

診断結果から女性たちは卵子の数や体外受精の見込み、卵子が冷凍保存可能かどうか、早期閉経や月経不順のリスクといった、妊娠に関わる重要な指標を知ることができる。

Modern Fertilityのアドバイザリー役を務めるNataki Douglas博士は「6人に1人の女性が不妊の問題に直面している。我々は妊娠可能検査へのアクセスを容易にすることで、女性たちの選択肢を広げようとしている」と述べる。アメリカ生殖医学会は2013年に、「卵子の冷凍保存はもはや実験的な試みではなく、女性たちが選ぶオプションの一つになった」と宣言していた。

「子供を生むのは少し先のことにしようと考える場合、自身の妊娠可能性に関する正しい知識があれば、若いうちに適切な手を打っておくことができる」とDouglas博士は述べた。

不妊治療の現場では「もっと若いうちに自分の健康状態に気づいておくべきだった」と感じる女性たちが少なくない。「これからの時代は妊娠可能テストが、子宮頸がん検診のように当たり前になる」とVecheryは話す。Modern Fertilityのゴールは、全ての女性たちに安価で容易にアクセス可能な妊娠可能テストを提供していくことだ。

「女性の力で女性のためのサービスを生み出していきたい。Modern Fertilityのサービスは私たち自身が必要だと感じたものだ」とVecheryは述べた。

編集=上田裕資

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