今年ジャガー・ルクルトは、新しいコレクション「ジャガー・ルクルト ポラリス」を発表した。1968年に誕生したオリジナルの50周年を記念して復刻された「ポラリス・メモボックス」、さらには、そのオリジナルデザインを巧みに転用しながら、3針オートマティックやクロノグラフ、ワールドタイムなどがレギュラーモデルとして用意されている。
「“メモボックス”はジャガー・ルクルトの重要なアイコンのひとつです。それを復刻させ、新しいラインを入れてコレクションとしても登場させたのです」
「ポラリス」は、ジャガー・ルクルトとしても非常に思い入れのあるコレクションとなる。そのため、その準備も周到に時間をかけて行われたのかと思いきや、意外とスピーディな展開で発表されている。
「準備を始めたのは、2017年2月に新しいデザインディレクターが就任し、それからなのです。だから、すごいラッシュをかけました。幸いジャガー・ルクルトには既存のキャリバーがあります。それは信頼性の高いものです。それにデザインもオリジナルがありますから。それでもケースやダイヤルなど全体的にクリアしなければならない問題もあるので大変でしたが、マニュファクチュールが一丸となり、努力の末にSIHHでの発表に間に合わせたのです」
始動は遅かったが、長い年月をかけて積み上げてきた技術が、一見無謀とも思えることを可能にしたのだ。
「それはすべてインハウスでやってることが大きいですね。そういうことから、今年は新しいキャンペーン『メイド・オブ・メーカーズ』を打ち出しました。お客様はメゾンの歴史を知りたいだけでなく、どうやって製作しているかに関心があるのです。だから弊社にいる本物の時計師たちを“メーカーズ”と呼び、お客様へのメッセージにしているのです」
ジョフロワ・レフェーヴル◎ジャガー・ルクルト 副最高経営責任者。フランス生まれ。エコール・ポリテクニーク・アンド・テレコム・パリにてエンジニアリングの学位を、インシアード(INSEAD)でMBAを取得する。卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーで7年間の経験を積み、リシュモン入社。ヴァシュロン・コンスタンタンのマネージング・ディレクター、リシュモンのグループ・インダストリー・ディレクターを経て、ジャガー・ルクルトの経営管理の担当に就任。2017年4月より現職。
Jaeger-LeCoultre
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