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2018.05.27 11:00

「キャンプ版エアビー」で米国のアウトドアを変えた29歳CEO

(photo by GettyImages)

アリッサ・ラヴァシオは、子どものころからアウトドアに夢中だった。

Hipcampの創業者でありCEOである彼女は、自然のなかに癒しを見つけた幼少期を振り返り、「キャンプに行き、自然と触れているときが自分らしくなれる瞬間であることを私は知ったのです」と言う。

「決して人気者の子どもではありませんでした」という彼女のお気に入りのアクティビティは、トカゲやヘビを捕まえることだった。だがそのとき彼女は、そうした経験から自身のビジネスが生まれることになるとは思ってもみなかった。

アメリカの公有地をマッピングすること

2013年に創業したHipcampのミッションはシンプル、「より多くの人々を自然に連れ出すこと」だ。

その出発点は、ビッグサー(カリフォルニア州セントラルコーストにある人口の少ない地域)で行ったキャンプでの失敗だった。ラヴァシオは近くにサーフポイントがあることは知っていたが、サンフランシスコにボードを置いてきてしまったのだ。彼女は波についてあらかじめ知っておけばよかったのにと思った。そして、「こうした情報を集めたウェブサイトがあったらクールじゃない?」と。

彼女は「Dev Bootcamp」に参加してコーディングを覚え、カリフォルニアのキャンプ場の情報を集めた簡単なデータベースをつくった。虫除けスプレーを持っていったほうがいいかどうか、素晴らしい朝焼けを望める場所があるかどうかといった情報を探せるものだ。

やがて彼女はHipcampの共同創業者となるエリック・バッハと出会い、マップをアメリカ全土に拡大することになる。2014年にはシードファンドとして200万ドルを調達し、多くの注目を集めた。

地主とミレニアル世代の都会人をつなげること

そして彼らは、Hipcampが見逃していた“在庫”があることに気づく。私有地だ。

都会に近い人気の国立公園は、週末になるとすぐに人で埋まり、夜になると騒がしい人混みができるところもある。Hipcampによれば、アメリカの60%の土地は民間が所有するものだ。もし民間の土地所有者とキャンプをする人々をつなぐことができれば、広大な土地をレクリエーションのために開放することができる。それは公有地の自然保護につながる可能性もある。

2015年9月、最初のプライベートキャンプ場の予約が「私の人生を変えました」とラヴァシオは振り返る。私有地の貸出という新サービスを発表してから24時間も経たずして、数百という農家やワイン製造業者、牧場経営者たちが自らの土地を使ってほしいと投稿したのを見て、彼女は泣いてしまった。彼女は、自分たちが何か重要なものを生みだしたことを知ったのだ。

現在、Hipcampは全米中の28万5000以上の土地を扱っている。リストにはベイエリアのスイミングホール(川や滝壺など、泳げるほど深い水のある場所)からポートランドやニューヨークのキャンプ場まであり、その場所自体はもちろん、RV(レクリエーショナル・ビークル)やユルト(ドーム型の住居)を予約することもできる。「50ドル以下での宿泊」や「ペットOK」といった条件からキャンプ場を探すことも可能だ。
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翻訳・編集=宮本裕人

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