捻りをいかに加えるかを意識する(DJ/音楽プロデューサー 松浦俊夫)

OMEGA / SPEEDMASTER PROFESSIONAL

今回は、1990年代にU.F.O.(United Future Organization)のメンバーとして、日本におけるクラブカルチャーの礎を築いたDJ、プロデューサーの松浦俊夫さんに話をうかがった。容姿も生き方もスタイリッシュな松浦さんが愛する腕時計とは?


約束の場所に行くと、ネイビーのスリーピースをタイドアップしたスタイリッシュな紳士が佇んでいた。週末の昼頃で、しかも撮影をしない旨を伝えていたので、もう少しラフな服装で来られるのかと思っていたので、少々驚かされた。その姿は、メディアで見る松浦さんそのものだった。

「いつもこんな感じなんですよ。就職をせず、いわゆるビジネスマンになってないので、スーツを着る意義は、そういう方たちとは違うと思うのですが。子供の頃から人と同じものは嫌だったので、違うことを模索してたらこういうスタイルに。スーツですが、背中にプリントが入ってますし、足元はスニーカーなんです。

スクイーズってよくいうんですけど、捻りをいかに加えるかということは、イギリスを意識してやってる人たちの中では、ファッションにせよ、音楽にせよ、とにかく感じられますよね」

一見、正統派に見えるスタイルも、少し外すことで個性を出していく。「ピカピカなところに対して、そこはちょっとダサいでしょ、みたいなシニカルさ」が、“センスのよさ”に繫がっているのかもしれない。
 
その松浦さんの愛機がオメガ「スピードマスター プロフェッショナル」だ。この20年間、相棒のように、あらゆるシーンを共にしているという。

「若い頃、メンズビギのデザイナーだった今西祐次さんに影響を受けていて、憧れてました。そして、仲良くもさせていただいてたんですが、あるとき『このスピードマスターを手放そうと思うんだけど、いる?』っていわれて。

そもそも今西さんが着けているのを見て、いいなぁって思っていたので、『もちろん!』って感じで引き取りました。それ以来、ほぼこればっかり着けてますね。アポロ計画で月に行った時計、という物語を現在まで引き継いでいるところも気に入っています」
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text by Ryoji Fukutome photograph by Kazuya Aoki illustration by Adam Cruft edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN 「地域経済圏」の救世主」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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