教師向けの新しい専門学習サイトのサービス「リーダラリー(Leaderally)」の創業者、キンバリー・リンソン(46)は2人の女性共同創業者とともに、長い間勤めた家庭教師会社のマネジメント業務を辞め、起業の世界へと飛び込んだ。
サイトのベータ版の公開を間近に控え、ワシントンDCにあるコワーキングスペース「ヘラ・ハブ(Hera Hub)」でベンチャーキャピタリストのジェニー・エイブラムソンに向けてプレゼンをしていた。当然ながら、緊張の面持ちだ。
プレゼンを聞いたエイブラムソンはメモを走らせていたiPadのペンを置き、リーダラリーについて「わくわくする」と言いながらも、リンソンのターゲットを当初の女性教師ではなく「チャータースクール(特別認可学校)の教師にしたらどうか」と提案した。チャータースクールの教師は公立学校の教師と比較すると経験は浅いながらも、新しい方法への順応度が高い。
有力なローカルチャーターであるD.C.Prepの委員を務めるエイブラムソンは、同分野にも明るい。また、フルブライト奨学生としてロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでゲノム科学を学び、ハーバード大学でMBAを取得する傍ら、ティーチ・フォー・アメリカのプログラム戦略にも関わった経験がある。
「神託が下った!」と感激したリンソンは、次のステップへの意欲を見せた。
エイブラムソンは、社会的インパクトのある技術指導型の女性のスタートアップを支援するVCファンド「リシンク・インパクト」の設立者で、マネージングパートナーも務める。同社は2017年3月、1億1200万ドル(約118億7200万円)のファンドを立ち上げた。金額はそう大きくないように思えるかもしれないが、米国における女性起業家を支援するVCとしては最大のものだ。