米アマゾンの配送センター「ロボット化」部門長に独占取材

(Photo by David McNew/Getty Images)


ロボットで肉体労働を減らす

「我々はオペレーションを迅速化して当日配送を実現し、スタッフの数を増やしてユーザーエクスペリエンスを向上した。ロボットの導入で倉庫内の移動やパレットの運搬といった肉体労働を減らすこともできた。社員には楽しみながらロボットにタスクを学習させるトレーニングを提供している。例えば、ピンポン玉を投げてコップに入れたり、水の入ったペットボトルを投げて着地させるといったトリックをロボットに覚えさせている」と彼は話す。

ポーターにこれまでで最も大きな成果を尋ねたところ、彼は「世界中で膨大な数のロボットを安全に運用できていることを誇りに思う」と答えた。

「システムトラブルが生じると、顧客に約束した時間内に商品を届けるためにコストが跳ね上がってしまうリスクがある。しかし、我々はブラックフライデーなどの大型セール時にもシステムを安定稼働させることができている」とポーターは言う。

アマゾンの配送センターを訪れた顧客は、ロボットが複雑な作業を行う様子に驚くという。

「スタッフもテクノロジーを駆使した現場で働くことを楽しんでいる。配送センターにロボットを導入して以来、彼らはスキルを磨き、よりやり甲斐のあるポジションへキャリアアップをすることができている」

ポーターによると、アマゾンは年間を通してロボティクスやSTEMに関するプログラムを支援しており、「全米ロボティクス週間」のサポーターも務めている。

子供らのSTEM教育も支援

「子供たちに刺激を与え、STEM教育を奨励する素晴らしい機会になるだろう」とポーターは話す。将来の目標について彼は次のように述べた。

「今は機械学習やAIの黄金期で機会は無限にある。かつてはSFの世界の出来事だと思われたことが次々と現実のものになっている。私はチームに対して複雑な課題を解決することに常に関心を持つよう促している。もう1つ取り組んでいるのは、チームを拡大することだ。ロボティクスの分野は未開拓の領域がまだ多く、エンジニアやロボット研究者、科学者、数学者、メカニックなどを増員する必要がある。だからこそ、我々はSTEM関連の組織を支援しているのだ」とポーターは話した。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事