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I write about underreported tech stories out of China.

Sudpoth Sirirattanasakul / Shutterstock.com

ここ2、3年で急成長を遂げた中国の自転車シェアサービスは、指定駐輪スペースを持たないドックレス形式で運営され、巨大な利用人口を抱えつつもほとんど利益を生んでいないことで知られている。

そんな無謀ともいえるビジネスモデルに限界が見えてきた。現地メディアの報道によると、自転車シェア大手の「Mobike」がフードデリバリーの「Meituan-Dianping(美団-大衆点評)」に買収された。関係筋によると金額は27億ドルから34億ドル(約3600億円)の範囲という。

中国のスタートアップ企業らはシリコンバレーの企業にならい、収益性を度外視した成長ありきの姿勢を貫いてきた。Mobikeや「ofo」といった企業は過去2年で10億ドル単位の資金を調達し、膨大な数の自転車を各都市に配備。利用者にはプロモーションとして、ほぼ無料でサービスを提供する場合も多く、自転車の盗難や破壊も日常化していた。

しかし、このようなビジネスモデルは限界に達したようだ。Mobikeの通年の売上はわずか1800万ドルであるのに対し、年間のコストは6700万ドルといわれる。同社を買収した美団は、年間4900万ドルの赤字と10億ドルの負債を抱えるMobikeを一体どのように再生させるのだろうか。

関係筋によると美団はMobikeの買収と並行して、同社の配車サービス事業を強化したい考えだという。同社は3月に中国の7都市で配車サービス「美団打車(MeituanDache)」を立ち上げており、自転車シェアと配車サービスの相乗効果を狙っているという。

美団が運営する生活情報の口コミアプリ「大衆点評」も巨大なユーザーベースを抱えており、同社はそのエコシステムに配車サービスや自転車シェアを組み入れることでシナジーを狙いたい考えだ。

一方で、配車サービス事業で先行した「滴滴出行(Didi Chuxing)」もフードデリバリー市場に乗り込もうとしており、既に人員の募集を開始している。つまり、配車からスタートした「滴滴」と、食品デリバリーから始動した「美団」が互いの領域に乗り込み、新たな競争を繰り広げることになったのだ。

中国の自転車シェア分野では先月、ofoがアリババから新たに8億6600万ドル(約926億円)を調達したことも報じられた。単体では事業の継続が危ういスタートアップを、大手のテック企業が様々な思惑から支援しようとしている。

編集=上田裕資

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