フランスで「危険な電磁波」を理由に中国製携帯がリコール

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フランスの通信大手「オレンジ(旧フランス・テレコム)」は、同社が販売する携帯電話「Hapi 30」が高レベルの電磁波を放っていることを理由に、リコールするとアナウンスした。

オレンジがこのような決定を下すのは初めてのことだ。Hapi 30は旧式の折りたたみ式の携帯電話で、既に9万人のHapi 30購入者宛てにリコールの案内が送付されたという。

Hapi 30は中国の寧波市にある「Mobiwire」の工場で生産されている。この機種の単位質量当たりの電磁波量は2.1 W/kgに達しており、欧州の安全基準の2 W/kgを超えている。米国の連邦通信委員会(FCC)は携帯電話の電磁波の許容範囲を1.6 W/kgまでと定めている。

携帯電話の電磁波は、一般的にはさほどの脅威とはみなされていない。しかし、数週間前にアメリカの「国家毒性プログラム(National Toxicology Program )」のラットを用いた研究結果が明らかになり、携帯電話の電磁波が心臓腫瘍や脳腫瘍を引き起こす可能性が指摘された。

また、今年のはじめにドイツのドイツ連邦放射線防護庁(BfS)は携帯電話の機種ごとの電磁場を調査したレポートを発表した。電磁波量が多い16の機種の多くは中国製で、ファーウェイやOnePlus、シャオミ、ZTEといったメーカーの製品が選ばれた。また、アップルやノキア、ソニー、ブラックベリーの端末も16位以内に入っていた。

現状で最も電磁波量が多いスマートフォンはシャオミの「Mi A1」で、その数値は1.75 W/kgとされている。

編集=上田裕資

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