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2018.04.17 07:00

誰がプレゼンテーションを殺すのか? チャンスを棒にふる3つの害悪

Matej Kastelic / shutterstock.com

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さまざまな企業の戦略に携わっている仕事柄、筆者はほぼ毎日のようにプレゼンテーションを行っている。多いときは日に8回ほど。とは言っても、99%は小さなものだ。大きなホールで、巨大なスクリーンを前にして、大勢の人に向かって行うものではない。
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でも、だからこそ、ちょっとした落とし穴がある。

上司への報告やクライアントとのミーティングなど、日常的なプレゼンでときに億単位の売り上げを捨ててしまうともあれば、下手なプレゼンで会社の業績を悪化させてしまうケースもある。プレゼンテーションは大切なものだ。よく見かける、プレゼンテーションを殺してしまう3つの「犯人」を挙げてみよう。

スタイリストが消費意欲を殺している

業績の悪い某社のプレゼンテーションが、筆者はいつも気になって仕方がない。その会社の経営者は、毎回、有名な欧米ブランドのスーツで登壇する。下手すると100万円以上するものを身につけていることもある。
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人間は、聴覚よりも視覚のインプットが先だ。挨拶の声を聴く前に、プレゼンに臨む人の姿を見て、「なんでまた、こんな高級な服を?」と思う。しかも業績が悪い会社。兆単位の売上を出す絶好調の経営者でもそんなスーツは着ないし、庶民的なサービスを提供する企業であるからなおさら悪目立ちする。その経営者のプレゼンを見るたびに、いつも頓珍漢だと思っていた。

そこで調べてみると、その経営者にはスタイリストがついていた。確かにお洒落ではあるが、プレゼンの現場でそれは必要ない。経営に当たる者にとっては、洋服選びもすべて意味を持つ。お洒落は休みの日にでもすればいい。利害関係のないパーティか友人の結婚式で楽しめばいいのだ。

会社のお金でスタイリストを雇っているなら、そのプレゼンの目的、会社の現在の状況、消費者がどう思うのか、ということを考えて洋服を選ぶべきである。「そんな高級スーツを着て、そのプロダクトがいくら売れるのか?」という話だ。

もし、筆者がその会社のコンサルタントだったら、以下のようにアドバイスする。

1. 安価なサービスだし、業績が悪いのだから、スーツは10万円以下のものへ

2. ノーマルなコーディネートを。男性ならシングルの2つボタン。シャツは白色のプレーンな襟のもの。ネクタイは無地。

3. 髪型もお洒落は不要。敬意を払った清潔な感じ。メイクをするなら、業歴が悪いなら質素かつ、できれば懸命に頑張っているのを表すために、やつれている感じがいい。

以前、「アパホテル」で問題が起こったとき、いつもは派手なファッションの元谷芙美子社長が、シックな装いをしていたのは印象が良かった。

筆者は以前、クライアントが雇っていたスタイリストに、会見の場で注意したことがある。「今日のプレゼンテーションでは、格好いい必要性はないので、シャツやネクタイを変えて欲しい」と依頼したのだが、換えの服の準備はなかった。そのまま登壇したのだが、案の定マスコミの評判が悪かった。

また別のスタイリストは、ある経営者の洋服を選んだのは私だと、SNSやあちこちで自慢していたので、秘密保持契約を結ばせた。芸能人やモデルならかまわないが、経営者などのスタイリングはあくまで本人がやっていることが前提だ。「洋服も選べない人間に会社を任せられるか」という評価になってしまう。
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文=野呂エイシロウ

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