アフリカ大陸が分裂へ、ケニアの「巨大な穴」が示す危機

Andrzej Kubik / shutterstock.com

ケニアに突如として巨大な亀裂が出現し、アフリカ大陸の分裂への懸念が高まっている。数キロに渡る地割れは、豪雨によってさらに大きくなっているという。

アフリカ大陸の分裂の可能性は以前から指摘されていた。最も有力な仮説によると、分裂を引き起こす原因は、地下で極めて高温になっているマントルプルームだという。プルームが大地を持ち上げて、究極的にはアフリカは東西に引き裂かれる。しかし、幸いなことに、この亀裂に海の水が入り込み、大陸が2つに割れるまでにはまだ何百万年もの時が必要だ。

大陸の分裂は珍しいものではない。例えば大西洋ができたのはアメリカ大陸とアフリカ大陸が分裂した結果で、互いの大陸の海岸線がパズルのようにうまく組み合わさるのは、かつて1つの大陸だったからだ。

アフリカ大陸における地割れは以前から知られていたが、原因の特定には至っていない。有力な説としては、アフリカ大陸東部の地下でスーパープルームが対流しており、地殻を燃やして穴をあけようとしているというものがあげられる。

このスーパープルームによって発生したのが、東アフリカ地溝帯(East African Rift Valley)と呼ばれる巨大な谷だ。この谷はアデン湾からジンバブエまで数千キロメートルにわたって続いている。

およそ2500万年前から始まった分裂は、最終的にソマリアプレートとヌビアプレートに沿ってアフリカ大陸を分裂させると見られている。だが、年間数ミリメートルという現在の速度で分裂が進んだ場合、完了するには何百万年もの月日を要することになる。

今回、ケニアでは発生した亀裂もこの地溝帯と関連しているのかもしれないが、突如として露出した原因は、豪雨で亀裂内部の土砂が流されたことも一因とみられている。

数百万年後にはアフリカの東部は小さく浅い海によってアフリカ大陸から切り離されるだろう。インド洋に巨大な島が誕生するわけだが、その島には現在のエチオピア、ソマリア、ケニア、そしてタンザニアの一部が含まれることになる。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事