キューバは温かい人たちにあふれた美しい国だ。国民は、私たちと同じように夢と希望と抱いている。非常に厳しい時代を経験したにもかかわらず、伝統に誇りを持ち、希望を捨てることなく生きている。ここでは、私がキューバ旅行で学んだ3つの教訓を紹介する。読者の方々やその企業の改善に役立てば幸いだ。
1. 仕事の原動力は金ではなくプライド
私がこれをじかに感じたのは、キューバのホテルのウエートレスから、米国で経験する典型的なサービスよりもはるかに質の高いサービスを受けたときだ。彼女の給料はおそらく月に20ドル(約2100円)ほどだろう。
私がサービスに感謝し、チップを渡そうとすると、彼女は「その必要はありません。良いサービスを提供するのは私の仕事です」と言った。それはもっともかもしれないが、私は無理を言ってチップを受け取ってもらった。
誰かが金を使って従業員のやる気を上げようとしたときのことを考えてほしい。効果はあっただろうか? 高い生産性をどれほど長く維持できただろう? 自分の仕事に誇りを持つ人を採用することは、従業員の心を金で買おうとするよりもよほど効果的だし、低コストで済む。あなたも試してみれば分かるはずだ。
2. 忍耐力は報われる
多くのキューバ人は、査証を得て他国に移住したいと思っている。キューバ人は、このプロセスには何年もかかり、それでも実際に取得できるとは限らないことを知っていて、それまでの間は今の生活を続けつつ、移住が実現する時に備えている。キューバ人は辛抱強い人々で、7~10年待つことも苦にしない。
あなたの会社はどうだろう? 物事が思ったようにすぐ改善しないときも、従業員は前向きな姿勢を保てているか。適切な候補が出てくるまで待たず、ただ単に空いた職務を埋めるだけになっていないか。先に進む前に、全ての選択肢を考慮しているだろうか。
忍耐力は、多くの人に欠けている美徳だ。多くの人が、照準を定めすぐに撃つ、という手法を取るが、そうすると誤って自分の足を撃ってしまう場合も多い。忍耐力を持てばマインドフルになることができ、しばらく立ち止まって現状を振り返ることができる。
今に集中すれば、全体図と詳細を両方考慮し、より良い決断が下せる。全ての選択肢を熟慮することなく「今すぐ撃ちたい」衝動を感じたときは、このことを思い出そう。