Genesis Roboticsは、カナダに本拠を置く研究開発企業「Genesis Advanced Technology」からスピンオフした企業だ。同社のCEO、Mike Hiltonによると、LiveDriveは旧式のモーターようにギアボックスを必要としないのが特徴で、そのユニークな外観こそがLiveDriveの革新性を示しているという。
「従来のモーターは、ロボットを動かすのに必要なパワーやトルクが不足していたためにギアボックスが必要だった。しかし、我々はギアボックスを排除しながら、従来のモーターと同等のパワーとトルクを備えることに成功した。これまでにない全く新しいデザインのモーターだ」とHiltonは話す。
「我々は、ロボットエンジニアたちからギアボックスの存在がロボティクスの発展を阻害しているという話を何度も聞き、LiveDriveの着想を得た」とHiltonは話す。
Genesis Roboticsが行き着いたのは、磁石を使ってアウトプットを増幅させるモーターだった。LiveDriveは厚さが2cmと薄く、積み重ねて使用することができるため、エンジニアはスペースを犠牲にすることなくパワーを増強することができる。
「モーターの直径は、10cmから76cmの間であれば好きなサイズに作ることができる」とHiltonは話す。また、LiveDriveを組み合わせて使うことで、興味深い用途のロボットを作ることが可能だ。
Genesis Roboticsは、LiveDriveを使ったパワードスーツを開発し、負傷した兵士がリハビリに活用する動画を公開している。同社は現在、LiveDriveのライセンスを供与するビジネスパートナーを探している。
同社はまた、荷物運搬ローバーの「Genesis Transporter」も開発した。このローバーは階段を上ることもできるという。
Transporterの用途としては、軍用物資の輸送や高齢者のサポートがあげられる。「ユーザーとして真っ先に思いついたのが、自分の母親だ。これからは重い買い物袋を持って道を渡ったり、階段を上らなくて済む」とTransporter の開発を主導した同社のCTO、James Klassenは話す。
Hiltonは、今後もパワードスーツやTransporterの開発を積極的に進め、LiveDriveの利点をアピールしていきたい考えだ。
「我々はLiveDriveのユニークな形状や能力を用いた革新的な製品を常に模索している。今後もTransporterのような製品を通じてLiveDriveをアピールし、市場をけん引していきたい」とHiltonは話す。