一見主観的に思えるこのプロセスだが、全世界共通のテクニックがある。投資家ウォーレン・バフェットをはじめとした指導者は、デール・カーネギー著『人を動かす』を信奉し、その教えは数世代経た今も受け継がれている。
同著に書かれた法則は一時的な流行を追うものではなく、社会的知性を作る構成要素に過ぎない。社会的スキルを磨けばより良い人生が手に入る。ここでは、カーネギーの『人を動かす』から学べる10の教訓を紹介する。
1. 批判せず、非難せず、不平を言わない
カーネギーは「批判、非難、不平はどんなばか者でもできるし、愚かな人の大半が取る行動だ」と述べている。人を許すには高い人間性と自己制御力が必要になるが、人との関係を築く上で大きな効果を生む、とカーネギーは記している。
2. 人に惜しみなく称賛を与える
カーネギーは同著を通し、自分の教えの全てを体現した人物として、USスチール社のチャールズ・シュワブ元社長を挙げている。シュワブは、称賛をあらゆる人間関係の土台としていた。「私は今まで、世界中であらゆる人と交わり、多くの素晴らしい人に出会った。どれほど偉大で地位が高い人物でも、人の批判より称賛に多大なエネルギーを費やす人ばかりだった」とシュワブは指摘している。
3. 名前を覚える
知り合ったばかりの人の名前を覚えるのは難しく、多くの人とカジュアルな場面で知り合う場合はなおさらだが、名前を覚える訓練をしておけば相手に「自分は特別で重要な存在だ」と思わせることができる。カーネギーは「どんな言語であっても、人の名前はその人にとって最も優しく、重要な響きだ」と述べている。
4. 他人に心から興味を持つ
人の名前を覚えて相手に自分のことを語らせ、その興味・関心や情熱を知るため質問を重ねれば、自分が相手に好意を持っていると思わせることができ、相手もあなたのことを好きになる。
カーネギーは「他者に心から関心を持つようにして2か月過ごせば、自分に関心を持ってもらおうと努力して2年間過ごすよりも多くの友人ができる」と書いている。内訳としては、75%の時間を聞くことに、25%の時間を話すことに使うべきだ。