玄人がこぞって評価した「ホンダらしい」EVコンセプト

往年の名車「S600」を思わせる低い重心とロングノーズのデザイン。前後のライト部分にメッセージ表示機能を備える。

日本でのモータリゼーションの浸透に伴って、1954年に第一回の東京モーターショーが開催された。第46回を迎える2017年は、世界10カ国から155社が参加し、78車種ものコンセプトカーや新車が発表された。

いまだジャーナリストや自動車業界の関係者が注目するイベントである東京モーターショーには、今年も熱い視線が向けられたわけだが、そのなかでも、取材に訪れたメディアの人気が高かったコンセプトカーがホンダ「スポーツEVコンセプト」だった。

最新技術満載の未来カーや超ド級のスペックを誇る高級車の中でも、この小さなクルマが“玄人ウケ”したのには理由がある。モビリティの未来に期待をさせてくれることに加えて、ホンダらしい個性が表現されていたからだ。

実際、ホンダは過去にも、同社のスポーツカーの原点である「S600」を彷彿とさせる2人乗りのコンパクトなスポーツカーのコンセプトを発表し続けている。2011年にはレバーで操作する未来的な「EV-STER」を世に送り出し、「S660」を市販するまでにこぎ着けた。

2017年の東京モーターショーでベールを脱いだ「スポーツEVコンセプト」は、電動化の時代に向けて、人とクルマの”一心同体”体験をもたらすことを重視している。電動モビリティならではの走りの魅力を追求しつつ、最新のAIによって人とクルマとが一体と感じられるコミュニケーションを生み出そうと試みている。そう、その時代における最先端のテクノロジーを積極的に取り入れつつ、清々しいまでにホンダの原点であるコンパクト・スポーツカーの魅力を追求している点が、このクルマが”玄人ウケ”するポイントなのだ。

もちろん、スポーツカーだけの需要を睨んでいるわけではない。東京モーターショーに先んじて2017年9月にドイツ・フランクフルトショーで、「スポーツEVコンセプト」と同じく、電動化とAIを搭載した「アーバンEVコンセプト」を発表し、2019年に欧州でこのコンセプトをベースにした電動モビリティを2019年に発売する予定だ。

編集=フォーブス ジャパン編集部

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