元ウーバー役員が創業の「電動スクーター」シェア、全米展開へ

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しかし、サンタモニカやベニスビーチの利用者の大半は、これらのガイドラインを無視しているのが実情だ。

Birdは外部業者を使ってスクーターを回収し、夜間に充電して翌日早朝に再び路上に配置している。「市はこうしたオペレーションを高く評価している」とVanderZandenは話す。

しかし、昨年の12月7日に、サンタモニカ市はBirdを告訴した。市は、訴状の中で次のように述べている。

「Birdは、必要なライセンスを市から取得しないまま事業を運営し、市内の歩道をレンタル用スクーターであふれさせた。市は何度もBirdに違法な事業運営を停止するよう警告したが、同社はそれを無視している」

これに対し、Birdは市が事業内容を誤解しており、ライセンスは取得済みであると主張している。

ウーバー時代の「規制突破」体験が強み

「市は、キッチンカーと同じように移動販売車のライセンスを求めているが、我々はタコスやホットドッグの販売をしていないため、そのようなライセンスは不要だと考えている。こうした誤解が生じるのは規制スキームが古いからであり、行政は新しいテクノロジーに適応する必要がある。我々は現在、誤解を解消するべくサンタモニカ市と緊密に連携している」と同社は公式声明で述べた。

出資元のVCの一社、Tusk Venturesは、サンタモニカや他の地域における行政とのトラブルを解決するのに一役買うことができるだろう。Tusk Venturesを率いるBradley Tuskは、自社を「政治面や規制面の壁にぶつかっている高成長スタートアップに特化して投資をする、世界初のVCファンド」と表現する。

VanderZanden自身も、リフトではCOOを、ウーバーではヴァイスプレジデントを務め、規制突破に挑んだ経験を豊富に持っている。

最新情報:2月14日、Birdとサンタモニカ市との係争は解決した。Birdは正式なライセンスを取得し、30万ドルを超える罰金の支払いに合意した。「Birdはサンタモニカにおいて新たなスタートを切り、安全で環境に優しい移動手段を提供していく」とBirdの広報担当のMarcus Reeseは声明で述べた。

編集=上田裕資

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