12月31日までの四半期の売上は前年同期比72%増の2億8570万ドル(約313億円)。市場予測は2億5290万ドルだった。株価は6日の17時40分時点で、昨年3月のIPO価格の17ドルまで回復した。
スナップチャットは収益の大半を、アプリ内に表示される広告から得ている。また、企業向けにフィルターやレンズなどのスポンサードツールも販売している。調査企業「eMarketer」によると米国のデジタル広告分野ではフェイスブックとグーグルが市場の60%以上を占めている一方で、スナップチャットのシェアは約1%程度だという。
スナップは今回の四半期で3億5000万ドル(約384億円)の赤字を計上した。赤字額は前年同期の1億6994万ドルから大きく増えた。また、今期の営業コストも前年度の3億3540万ドルから大幅に拡大し、6億4670万ドルに達した。スナップは過去2年で2400名以上を採用しているが、今後の人員の伸びは控えめになるという。スナップは今年1月に約20名のレイオフを行っていた。
ユーザー1人あたりの売上は1.53ドルになり、前年同期比で31%の増加となった。ただし、スナップが今後黒字化を果たせるかどうかに関しては、アナリストの間から疑問視する見方もあがる。
スナップの共同創業者でCEOのエヴァン・スピーゲルはカンファレンスコールで「我々はプロダクトのクオリティ向上などの面で高い成果をあげ、広告ビジネスを伸ばし、コミュニティの成長をもたらした」と述べた。
スナップチャットは昨年のIPO以来、ユーザー数の伸び悩みに直面してきた。ただし、アプリの成長率はアナリスト予測を上回り、デイリーユーザー数は前年比で18%増の1億8700万人に成長。第3四半期と比べると890万人の伸びとなった。
スピーゲルはデイリーユーザーの伸びの要因として、以前はiOS版アプリより動作が遅かったアンドロイドアプリの改善を行ったことをあげた。
スナップチャットは昨年11月にアプリの大幅な仕様変更を実施。チャットやストーリーズなどのSNS機能とメディアコンテンツを格納するディスカバーを別のタブに配置した。新アプリの利用者らのパブリッシャーのコンテンツの視聴回数は40%以上の増加になったという。また、新アプリでは広告の視聴回数と滞在時間が増加しているとスピーゲルは述べた。