米国内の高速道路を走る車の大半が無人運転のEVになったら、ガソリンスタンドはどうなるのだろう?
そう考えている人たちに、スポーツ用品ブランドのリーボックと米建築事務所のゲンスラーは先ごろ、一つの答えとなり得る計画を発表した。
EVの普及拡大が予想されるなか、両社は米国内のガソリンスタンドを「フィットネス・ハブ」に変えたいと考えている。ドライバーたちが「心身の健康を最優先」することを、支援するための施設だ。休憩を取るほか、健康的な食事や運動を楽しむことができる。
地域住民や自動車で移動する人たちがアクセスしやすい場所にこうした施設をオープンしたいとする両社は、既存のガソリンスタンドを以下3つのモデルのいずれかの店舗に改装するプランを打ち出している。
・ネットワーク
州間幹線道路沿いにあるサービスエリアは、車を充電している間にランニングやスピニング(バイクエクササイズ)、クロスフィットなどを楽しむことができる本格的なフィットネスセンターに建て替える。
・オアシス
各地の幹線道路に隣接する大型のガソリンスタンドは、交通渋滞で疲れたドライバーたちが利用できるヨガ教室や瞑想用のポッドを備えた「リチャージ・ゾーン」とする。ジュースバーや、地元で取れた新鮮な食材を使うレストランも併設する。
・コミュニティーセンター
小規模のガソリンスタンドは、地域住民のニーズに対応するための施設とする。例えば、自動車修理工場の建物は栄養について学ぶことができる教室に、ミニマートは地元産の健康的な食品を販売するスペースに改装。クロスフィット・トレーニングやスピニングができるポップアップスペースも整備する。
ゲンスラーの設計士はこの計画について、「フィットネス・オアシスのネットワークが築かれた未来の都市を思い描いている。自宅と職場の間にあり、立ち寄ることで車だけでなく、利用者も“充電”できる場所だ」と語っている。
だが、全てが電化・自動化された交通の未来を待つ必要はあるのだろうか?州間幹線道路沿いの店を中心に、ガソリンスタンドでは現在、まさに文字通りあらゆる種類のジャンクフードが売られている。少なくとも、ポテトチップスや前日に作られたホットドッグではなく、よりヘルシーな食品の販売に特化した店が増えることを期待したいものだ。