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2018.01.31 18:00

グーグルがマネジメント研修で問う「一発目の質問」

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「あなたの哲学は何ですか?」

昇進して6カ月未満の“マネジャー1年生”たちを世界のエリアごとに集めたグーグルのマネジメント研修。藤本あゆみは、1発目の講師の質問にたじろいだ。

「そんなの聞いたことないし、考えたこともない」。今、藤本は振り返る。

「自分が大切にしていることは何か、マネジメントの前にまず、自分は何なのか、自分のBeing(=あり方)をちゃんと考えろ、ということだったと思います」

父親からは、「自分に合った仕事を見つけられると、人生はもっと豊かになる」という言葉を聞いて育った。新卒で人材サービス会社のキャリアデザインセンターに入り、26歳で当時最年少の営業部のマネジャーになった。グーグルに入社したのは28歳。33歳の時にマネジャーになり、上述のマネジメント研修に参加した。

その後、アジアで女性の活躍をサポートするグーグルのプロジェクト「Womenwill」に携わり、女性だけでなく皆が働きやすい社会をつくりたい、とプロジェクトをきっかけに知り合った仲間と2016年、at Will Workを設立した。

at Will Workは、ウェブサイト運営やイベント企画などを通じて多様な働き方を発信し、関連する人や企業、団体をつなげるプラットフォームだ。代表理事を務める藤本は、資産運用の自動サービスを提供する企業「お金のデザイン」で広報・マーケティングを担う正社員でもあり、同団体のほかの理事5人も自分の会社を持つパラレルワーカー。多様な働き方を体現している。

藤本が多様性にこだわるのは、小学校から高校まで過ごした私立桐朋学園の校風の影響が強いという。校則で生徒を縛る代わりに「自分で考える」という教育方針で、常に「あなたはどう思う?」と聞かれ、それぞれ多様な意見をはっきり表すことがごく普通に身についていた。

社会に出て、カルチャーショックを受ける。それが当たり前でない職場でどう振る舞えばいいのか、悩んだ。グーグルに転職して「こんな風に私は言ってもいいのか」。多様な意見を楽しめる職場に感動した。

皆が働きやすい社会を作るために、働き方の選択肢を増やす。藤本はそのために多様な働き方を発信しようと思った。

「様々な働き方を見れば見るほど、『これは共感できる、これは共感できない』と自分の物差しがわかるようになるんです」

2月15日に開催される2018年の「働き方カンファレンス」のテーマは「働き方を定義∞する」。働き方には無限大(=∞)の定義がある、という気持ちを込めた。

「率直に意見を言う組織は、私にとって心地いいし、そういう働き方ができる社会にしたい。でも、全ての人にとって心地いいわけではないですよね。だから企業も含めた皆に自分たちの働き方の物差しを考えてほしい」
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文=フォーブス ジャパン編集部

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